【d!】喜劇的レゾンデートル (ページ10)

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脚、壊してすまんかった。
総統閣下の居る総統室を出て一番最初にシャオロンが発した言葉はそれだった。戦場で敵兵を攻撃することなんて当たり前な事なのに何を謝っているのか。

……………多少印象は悪かったけど。

「…そんな事気にしません。」

「…いや…戦場だったとはいえ多少罪悪感はあんねん。謝らして。」

「…ご自由に？」

そう言えばくすくすと笑われる。肩揺れるから怖いのだけど、やめてほしい。

「変なやつやな。お前。」

「貴方には言われたく無いです」

「…髪、傷んどるな」

「1年半放置していますから、当然です」

揺れる髪が視界に入ったのか、空いている方の手で髪を触りだした。

担がれているのにも関わらず床に着きそうな長さの真っ白な髪。ところどころ傷んで軋んでいる。さらさらな頃もあったけれど、なんて施設のことを思い出す。

「洗えば良くなるやろ。そういうの得意なやつもおるし、頼んでみようや。」

「…はい」

そんな会話を交わす中、すれ違う兵士たちは、みんなシャオロンと私をみて目を丸くする。まあ確かに国の幹部ともあろう男が、見知らぬ女を肩に担いで要塞内を歩いているのだから、その反応は妥当である。というかもう少しマシな運び方は無かったのか。

そんな人々の好奇やら疑いの視線に耐えながら、身体を揺らしているとシャオロンは"情報処理班"と書かれたプレートの掛かった扉の前で止まった。

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