【d!】喜劇的レゾンデートル (ページ4)

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04. ページ4

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地下牢から出て、地上。窓から入る日がとても綺麗に見えた。痛いくらいの光が心地好く感じた。ここは自国よりも何倍も綺麗な空気をしている。
カツカツとさっきと同じ靴音を響かせる男性。

「抵抗しないんやね。そんな意思も見えへん。てっきり俺が片手塞がってるのをいい事に首狙ってくるんちゃうかなって思っててんけど。」

「…自国の状況が分からない以上、無駄な殺生はしません。殺しは、嫌いですので。」

足も動きませんし、と付け足す。

「…殺戮兵器って聞いとったんやけど、それは嘘？」

「…？当機は殺戮兵器として設計されています」

「違う、殺しは嫌いってとこ。」

「…嘘ではありません。…殺戮兵器であるからと、殺しを正当化するのは間違いであると当機は考えています。当機の殺人能力が他の機体より飛び抜けて優れているだけ。私には自律思考能力があって、性格もあります。秀でた情報処理能力があるのに殺しが大好きな機体だってあるはずです。
当機は、そのような性格の機体に"なれなかった"だけです。」

「ふーん…」

私がそんな機体なら良かったのに。殺しが大好きな機体だったならば、こんな劣情は生まれなかったはずのに。

沈黙

「あー…きみ、"スキャン"したん？したなら分かるやろうけど…」

男性は少しだけ気まずそうに話を切り出した。

「していません。」

「…え、なんで？」

「しなかったと言うよりも、"不可能だった"の方が的確です。…当機は長期間スリープモードと変わらない状況下でしたので、機能が正常に起動しておらず、スキャン不能でした。」

「…ふうん、ならアイツから聞いた方早いやろ。」

"アイツ"というのは誰なんだろう。というかこの人間の名前も私は分からない。自己紹介されていないし、やっぱりスキャンが実行できないのは困る。
その後、この人がさっきの言葉の続きを話す事はなかった。その前に、とある場所に着いたから。

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《スキャン》

機凱に備わった機能の1つ。その国の名前、人口、その場の位置なども割り出せる便利機能の1つ。機凱同士は感知可能。

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