【d!】喜劇的レゾンデートル (ページ2)

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02. ページ2

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再び目を覚ませば、私は暗く冷たい地下にいた。目の前には鉄格子、地下牢のようだ。自国の"檻"をぼんやりと思い出したが、こんな造りじゃなかった。となるとここは別の国。
ここがどこかも分からない。スキャンをしようにも余りにも長い間機能停止していたから、正常に動かない。"ERROR"の文字が浮かび上がる。

…しかも最後の記憶も曖昧だ。戦場に出たところからの記憶がない。最前線で戦っていた筈なのに、どこで私は気絶した？

自分の身体を見れば、左脚がバチバチと音を立てている。神経が切れてしまったみたいだ。
ここは果たして私の国なのだろうか、それとも敵国？

戦争は勝ったのか？
情報の入っていない頭を動かしてみるが、私の頭の中には敵国の名前でさえも入っていないのだ。勝っていても負けていても、私には何一つ関係の無いことだけれど。

諦めて目を瞑ると同時に、外からガシャン、と音がした。誰かが来る。コツコツという軽い靴の音が反響して、耳に響く。私の檻の前で静止すると、壁際に座り込んでいる私と視線を合わせようとしゃがみこんだ。

茶髪の男性。赤白のボーダーのパーカーに黄色のオーバーオール。私の国では見た事のない顔だ。私だって軍部の人間一人一人のことを全部覚えてるわけじゃないけど、こんな奇抜な服装の人間を覚えていないわけない。

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