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「Aさん最近なんかいいことありました？」
会社の休憩スペースでコーヒーのんでたら話しかけてきたロンジュンくん。
『え、なんで』
「いや、鼻歌。今歌ってましたけど？だからご機嫌なのかなって」
超無意識だった。しかも聞かれてたなんて恥ずかしい。
『あ、いや、無意識すぎた。聞かなかったことにして』
「無意識に鼻歌出ちゃうくらい充実してるんすね」
充実…してるのかな。別に日常に不満もなく過ごしてるけど。
「最近ジェノもご機嫌で。昨日も夜俺が帰ったらリビングでニコニコ、いやニヤニヤ？しながら誰かとカトクしてて 」
そう言われてドキリとした。その相手…私？？
こないだランチしてからたまに連絡が来るようになって。
昨日の夜、他愛もないことで話が盛り上がってしばらくカトクしてたんだ。
『あ…そうなんだ？ジェノくん、元気？』
いや、昨日カトクしたばっかで元気なの知ってるけど。
わざとらしくそんなことロンジュンくんに聞いちゃって、少し申し訳ない気持ちにもなってしまう。
「普通に元気は元気ですけど。あいつ他人に興味無いはずなんだけどな」
『そ、そうなんだ？ニコニコして人当たり良さそうな子なのに』
「そう！だから昔っからすごいモテるんですけどね。でも本人全然で」
ジェノくんがモテるんだろうなってのはよーくわかってる。
駅でのあの一件だけでもわかった。
だけど私に接するジェノくんは他人に興味無いようには見えない。
『ジェノくんだってもういい歳なんだし、少しくらいは誰かに興味持つんじゃない？』
他人に興味が無いジェノくんが、私には興味持ってくれてるのかな。お姉ちゃんがいるって言ってたから私のことはお姉ちゃん感覚でたくさん話してくれるのかもしれないけど。
もし私に興味もってくれてるとしたら嬉しいな…ってそんなことを思うこの気持ちって？
鼻歌出るくらいご機嫌なのは…ジェノくんのせいなのかも。
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作者名：chato | 作成日時：2022年4月12日 23時
