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ジェノくんと別れてBAR127の扉の前。
金曜の夜だからか、すでにお客さんでにぎわう声が扉の外まで聞こえてくる。
扉を開けると、いつものようにヨンホのいらっしゃいって声…
じゃなくて、私の名前を呼ぶあの特徴的な声が耳に入って、その後からいらっしゃいって苦笑してるヨンホの声が聞こえた。
こっちこっちって満面の笑みで自分の隣の席をトントンしてるドンヒョクくん。
『開けた途端名前呼ばれてびっくりしちゃった』
「今日金曜日だし来るんじゃないかって思ったんだー」
と、満足そうに言うから、本当はその予定じゃなかったことは言わないでおいた。
「扉開くたびにすごい勢いで見てたよ」ってヨンホが笑ってたけど。
「ジェノがさ」
とさっきまで一緒にいた人の名前が出てドキッとする。
「全然連絡つかねーの、ここ付き合ってもらおうと思ったのに」
どこ行ったんだあいつって口とがらせてる。
『あ〜そうなんだ？』
きっと私と食事してる間にドンヒョクくんから連絡入ってたはず。それに気づいていたのかいなかったのか…と、ふとスマホをみるとジェノくんからカトクが来ているのが見えてとっさにドンヒョクくんから見えないように確認した。
“ ドンヒョクいるでしょ？ ”
“ 実はずっと連絡きてたんですけど ”
“ このあとはあいつにAさん譲りますね ”
なんて書いてあった。きっとジェノくんそれで帰ったんだろうな。一緒に来てたらドンヒョクくん騒ぎそうだし。
「でもそのおかげでAちゃん独り占めできちゃった」
ってルンルンしてるドンヒョクくん。
ふと店内を見渡すと今日はユウタやほかに仲良くしてる常連組もいないから本当に独り占めされてる状態になってる。ここ最近こんなにチヤホヤされた記憶もないからたまにはいいか。
ただ、その後もジェノくんの話が出るたびに何となくそわそわしてしまったのは言うまでもない。
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作者名：chato | 作成日時：2022年4月12日 23時
