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「そんなにじっくり見られるとちょっと恥ずかしい〜」
「あ、ごめん」
「散らかってるけど、どうぞ。座って」
そう言いながら祐基くんはお酒とおつまみをテーブルの上に置いて、ソファの足元の所に座った。
何処に座ろうか一瞬迷ったけど、結局祐基くんの向かい側に座らせてもらった。
「じゃあさっそく飲もっか」
「うん」
お互い缶ビールを開けて、祐基くんが手に持っていた缶を私の缶へコツンと当てた。
「かんぱーい」
「乾杯」
仕事終わりのビールって何でこんなに美味しいんだろう。
今日はいつにも増して仕事が大変だったけど、頑張ってよかったとこの瞬間だけは思える。
そんな事を考えていると、祐基くんが思い出したように言った。
「あ、そういえば」
「何?」
「俺は彼女いないってさっき伝えたけど、Aちゃんには聞いてなかった」
「……あ〜、そう言えばそうだね」
「彼氏とかいたりする?」
「いないよ。いたらそもそも合コンだって行かないし」
「だよね。良かった〜」
祐基くんが言う「良かった」ってどういう意味の「良かった」なんだろう。
まあ、深い意味はないか。
「いつからいないの、とか聞いてもいい?」
「……え?」
「あ、嫌だったら全然答えなくて大丈夫!」
「……ないよ」
「え?」
「いた事ないよ」
「…え?ほんとに?」
「うん」
別に隠す必要もないし、隠したい訳でもないから正直に答えたけど、さすがに引くよね。
とっくに二十歳超えてるくせに彼氏いた事ないとか。
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京(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます。たくさんの嬉しいお言葉恐縮です...!完結まで見届けて頂きまして本当にありがとうございました!番外編の方もよろしくお願い致します。 (2019年2月25日 10時) (レス) id: 4f5277fea8 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - はじめまして、ほぼ毎日ドキドキしながら更新を待ってました!完結お疲れ様でした。ラストに近づくにつれて涙止まらなかったです…。完結してしまって寂しいですが、番外編も書かれるとのことで最後まで楽しみにしています! (2019年2月25日 0時) (レス) id: 47a502277b (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - まのさん» まのさん、コメントありがとうございます。拙い文章ですが、これからも読んで頂けると嬉しいです! (2018年10月17日 22時) (レス) id: 4f5277fea8 (このIDを非表示/違反報告)
まの(プロフ) - だいすきです…すごく大好きです…!更新楽しみにしています……! (2018年10月17日 20時) (レス) id: 884b859a47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京 | 作成日時:2018年9月18日 1時