どたばた生徒会,さーど！【stpr】

命の恩人 ページ10

＿＿＿＿ﾊﾟｼｯ!!!




誰かに手を掴まれた



目が霞んで、誰かわからない



けど、細くて、白い腕



それに、うっすらと見えた赤い髪



莉犬くんだ



でも、莉犬くん、私より身長低いよ


莉犬くんまで溺れちゃったらどうしよう


あ、そんな事考えてる暇ないわ



全部、力抜こう





り)ｺﾞﾎﾞﾎﾞｯ…A･･･！！



やだ



そんな顔しないでよ



笑ってよ



私が見たいのは、そんな顔じゃない



私は残ってる酸素を全部使って言った



『私、莉犬くんの笑顔が好きだよ』


り)！！


意識が遠のく寸前だった






ｻﾞﾊﾞｧｯ



な)Aちゃん！！！


なーくん先輩が何か言ってる


ごめんなさい、何も、聞こえない


再び目を閉じようとした瞬間



微かに青い影が視界に映った


途端、唇を塞がれた



『…ｯ!!』


いわゆる人工呼吸と言うやつだ


酸素が入ってくる



こ)A･･･？


私の名前を呼んでる



だんだん意識も戻ってくる



『ｹﾎｯ…ころん、先ぱ･･･』


こ)Aっ･･･！！！


ころん先輩が抱きついてくる



離れたいけど離れたら落ちる



私はころん先輩の背中に手を回した



『ｹﾎｹﾎｯ…ありがとうございます･･･』


さ)お前何してんだよ･･･心配したんだぞ？


『すみません、足が急に痛くなって･･･』


な)ちゃんと持ってなくちゃダメでしょ！？


『ご、ごめんなさい･･･』


あ)さとみくんなんか掴んでるから･･･！


『ごめんなさい･･･ﾌｯw』


さ)おい！！www


泣きそうな顔で言うもんだから笑ってしまった


り)俺がどれだけ心配したか･･･っ、


莉犬くんの声が震えてる


涙も出てる


私は莉犬くんの涙を拭った


『莉犬くんの笑顔が好きだって言ったじゃん』


り)･･･へへ///


顔を赤くして喜ぶ


可愛い



こ)るぅとくん、A返すわ！


『わぁっ！？』


体が宙に浮く


ころん先輩が私を会長に向けて投げた


ちょ、馬鹿！？


溺れたばっかだって･･･


ﾁｬﾌﾟｯ


るぅと会長はちゃんと受けとめてくれるからいいけど･･･！


る)･･･A


やばい


これは相当お怒りだわ



声だけでわかる



『ご、ごめんなさ』


私は恐る恐る顔を上げた



る)説教は後だ。なーくん、A連れていくね


え



な)はーい



え


こ)今回は許可してあげよ。ね？

り)･･･ん。


え？



私を姫抱きしたまま歩き出す会長





私、人生終了のお知らせ･･･？

おしおき→←水

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す