姉と比べないで｡【文スト】【ヒロアカ】 (ページ16)

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Episode,thirteen ページ16

Aは、織田作に扶けてもらってから、ずっと一緒に過ごしてきた。

織田作がポートマフィアの構成員だと知ったときは、すごく驚いたが、今では何とも思っていない。

日中や、夜間は織田作が居ないため、家で本を読むか、勉強するか、木陰の掛かった庭で、花に水やりなど…。色々して織田作の帰りを待った。

「うふふ、今日作之助早く帰ってくるかな。帰ってきたら、いっぱい抱きしめて、゛お帰りなさい゛って云ってあげよう！」

ガチャ＿＿＿

「只今、帰ったぞ。」

「ん！作之助！！お帰りなさい！」

ギュッ＿

「！只今。A、夕飯食べよう。今日はカレーだ。」

「ほんと！？じゃあ、いつも作之助が食べてるカレーがいいな」

「そうか。俺が食べてるカレーは、辛いぞ。いいのか？」

「平気！もう大人だから食べれるもん！」

「ふ…。そうか。」

織田作は、優しく微笑む。
その姿はまるで、年の離れた兄妹のようだった。

織田作とカレーを食べて以来、織田作は余り家に帰らなくなった。

Aは、誰もいない家に、淋しく思っていた。
織田作に部屋が、いつもだったら、明るくて、眠れなくて織田作の部屋を訪れると、織田作は机(デスク)と向き合いながら、何か大切な書類を片付けていた。
Aが、眠れないから、一緒に寝てほしいと云うと、

「なんだ、そんなことか。いいぞ。」

と云い、一緒に蒲団で寝てくれるのだ。

でも今は、暗くて、冷たくて、誰もいない。人の温もりを感じられない。

Aは、早く帰ってきて、作之助！ッと思っていると、扉が静かに開く音が聞こえた。

「作之助！！」

織田作が帰ってきた。何処か、やつれているようだった。

「何で早く帰ってこなかったの！」

「悪い。仕事が終わらなくてな。さっき終わったばかりなんだ。」

織田作は、本当に悪いと思っているのか、頬をポリポリ掻く。

Aは仕方ないか…。と思いながら、
「もう、次ちゃんと帰ってこなかったら嫌いになるから。」

そう云いながら、Aは、少しだけ、微笑んでいた。