検索窓
今日:21 hit、昨日:17 hit、合計:692,059 hit

Episode,eleven ページ14

「んん…?」


此処は何処だろうか。

天井には、明るい照明がAの顔を照らす。


「お、起きたか。大丈夫か?」


「えっと、はい。」


そっか、私、あの時、気絶したんだっけ。


Aは、今までのことを鮮明に思い出す。


「あ、そう云えば…。お兄さん、お名前なんて云うの?」

「名前か。名前は織田作之助。」

そう、茶色の髪の毛の、お兄さん。織田作之助は名前を教えてくれた。


「友人からは織田作と云われている。」

「織田作…?」


友人からそう云われているということは、愛称なのか。

Aは、考えていた。自分は愛称で呼ばれたことが無かった。だから、少しばかり織田作を羨ましく思った。


自分も愛称で呼ばれたい。Aはそう思っていた。


「俺も、聞いていいか、お前の名前。」


「…A。それが私の名前。」


「そうか、いい名前だな。苗字はないのか?」


「苗字…。ないよ、そんなの。もう、欲しくない。」

苗字なんて、只の肩書に過ぎない。どれだけ辛い思いをしたか。
父親からは、姉と比べられ、母親からは、Aの相手をするのに疲れたと、ほとんど育児放棄。姉は此の事に気付かなかった。


傍からみたら、お金持ちのいい家族なんて思うだろうけど、Aは、そうは思わなかった。
本当に酷い家族だった。此処まで酷い家族はいないだろうと思う。

織田作は、何かを察したのか、これ以上はなにも聞いてはこなかった。


「Aは、きっと辛い思いをしたんだな。」



「…辛いってものじゃないよ。あの家は地獄だった。」


「そうか。俺は、Aの今までの事を知らない。何を体験して、何を云われたのかは、分からない。出会ってすぐであれだろうけど、Aについて、教えてくれないか…?」


「!」


本当に出会って直ぐなのに、何故其処まで知りたがるのか、分からない。


けれど、この人になら、織田作になら、何故か話しても大丈夫だと思った。


そしてAは、小さな口を開け、こう語る。




「実は_____」

Episode,tweive→←Episode,ten



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (650 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1618人がお気に入り
設定タグ:文スト , ヒロアカ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ravito - 面白かったです!途中から雪じゃなくね?って思ったのは気のせいです() (8月12日 16時) (レス) @page2 id: 845ded3a27 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - 続きみたいなあ。 (2020年8月28日 13時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - めっちゃ面白い内容です!!!早く続きが見たい! (2020年5月18日 21時) (レス) id: 5c56fb891e (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 夢主と中也さんと絡ませて欲しいです。 (2019年5月13日 18時) (レス) id: bc75932481 (このIDを非表示/違反報告)
虎猫(プロフ) - 続きは、ないんですか? (2019年5月11日 11時) (レス) id: b8ef4d2265 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ナタデココ x他2人 | 作成日時:2018年4月25日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。