Episode,eleven ページ14
「んん…?」
此処は何処だろうか。
天井には、明るい照明がAの顔を照らす。
「お、起きたか。大丈夫か?」
「えっと、はい。」
そっか、私、あの時、気絶したんだっけ。
Aは、今までのことを鮮明に思い出す。
「あ、そう云えば…。お兄さん、お名前なんて云うの?」
「名前か。名前は織田作之助。」
そう、茶色の髪の毛の、お兄さん。織田作之助は名前を教えてくれた。
「友人からは織田作と云われている。」
「織田作…?」
友人からそう云われているということは、愛称なのか。
Aは、考えていた。自分は愛称で呼ばれたことが無かった。だから、少しばかり織田作を羨ましく思った。
自分も愛称で呼ばれたい。Aはそう思っていた。
「俺も、聞いていいか、お前の名前。」
「…A。それが私の名前。」
「そうか、いい名前だな。苗字はないのか?」
「苗字…。ないよ、そんなの。もう、欲しくない。」
苗字なんて、只の肩書に過ぎない。どれだけ辛い思いをしたか。
父親からは、姉と比べられ、母親からは、Aの相手をするのに疲れたと、ほとんど育児放棄。姉は此の事に気付かなかった。
傍からみたら、お金持ちのいい家族なんて思うだろうけど、Aは、そうは思わなかった。
本当に酷い家族だった。此処まで酷い家族はいないだろうと思う。
織田作は、何かを察したのか、これ以上はなにも聞いてはこなかった。
「Aは、きっと辛い思いをしたんだな。」
「…辛いってものじゃないよ。あの家は地獄だった。」
「そうか。俺は、Aの今までの事を知らない。何を体験して、何を云われたのかは、分からない。出会ってすぐであれだろうけど、Aについて、教えてくれないか…?」
「!」
本当に出会って直ぐなのに、何故其処まで知りたがるのか、分からない。
けれど、この人になら、織田作になら、何故か話しても大丈夫だと思った。
そしてAは、小さな口を開け、こう語る。
「実は_____」
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ravito - 面白かったです!途中から雪じゃなくね?って思ったのは気のせいです() (8月12日 16時) (レス) @page2 id: 845ded3a27 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - 続きみたいなあ。 (2020年8月28日 13時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - めっちゃ面白い内容です!!!早く続きが見たい! (2020年5月18日 21時) (レス) id: 5c56fb891e (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 夢主と中也さんと絡ませて欲しいです。 (2019年5月13日 18時) (レス) id: bc75932481 (このIDを非表示/違反報告)
虎猫(プロフ) - 続きは、ないんですか? (2019年5月11日 11時) (レス) id: b8ef4d2265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナタデココ x他2人 | 作成日時:2018年4月25日 22時