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伍話 記憶 ページ6

生田巻視点

『檎蜃ちゃんと私って、会ったことある?』

布の下の顔が分からないから、
完全に彼女だと判断することが出来ない。

髪色は同じだし、背丈もそのくらいだから
彼女だと思うんだけど……。

しかし万が一にも彼女に姉妹がいたらどうしよう。
もしかしたら他人の空似かもしれない。
髪だけかもしれない。
私があった頃の彼女はこんな布はしてなかった。

「いえ、すみません。初めてあったと思います。」

何も考えず、そのまま出した様な声と言葉。

彼女はこんな声だったのかな。

『ぁ…そうよね!変なこと言ってごめんなさい…』

違うのか。
やはり他人の空似か。
それとも姉妹なのだろうか。

『ねぇ、檎蜃ちゃんって姉さんとかいるの?』

「いえ、記憶上ではいません。」

記憶上…?
まぁ、いないのならやはり間違いだったのだろう。
よく考えれば、彼女が柱になるのにこんなに期間がかかる訳が無い。

緊張して損したわ。

『じゃあ、そろそろ出よう?』

「分かりました。」

おばちゃんに、揚げ団子4つ分の金額を渡して
外に出る。
少し冷たい風がすーっと突き抜けていく。

『まだ寒…!』

まだ寒いね、と言おうと思った。
が、それを上回る衝撃で言葉が詰まる。

やっぱり…!

思わず彼女の手を掴み、狭い路地に滑り込む。
勢いよく壁に身体を押し付け、
彼女の顔の前の布を持ち上げる。

『ねぇ…、本当に覚えてないの!?』

さっきはこれのせいで私の顔が見えてなかったのかもしれない。

覚えていて欲しい。
忘れないでほしい。

忘れるなんてそんな残酷なことはしないでくれ。

「はい。申し訳ありませんが。」

あの時の澄まし顔のまま、微動だにせず彼女はそう言った。

∽∽∽∽作者小話∽∽∽∽

私、こういうの作る時は必ず1枚絵描いて、
その詳細をめちゃくちゃ妄想して
小説書き始めるんですけど
この小説、最後が決まっちゃって、
最初が全く決まってないんです。
絶望しか感じてない。

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アダチRIN(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2021年5月3日 21時) (レス) id: 29fa583ba8 (このIDを非表示/違反報告)
偶音~guton(プロフ) - 那覇さん» ありがとうございます!亀更新ながら頑張ります!(返信の方法がなかなか分からなくて遅くなりました笑) (2020年5月7日 22時) (レス) id: 4cc2260cf0 (このIDを非表示/違反報告)
那覇 - 続き更新するの頑張ってね!無理しないように!体調に気をつけて。 (2020年4月12日 11時) (レス) id: 6c51696338 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:偶音~guton | 作成日時:2020年3月28日 3時

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