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5話 ページ6







海螺は一冊の本のあらすじと登場人物の簡単なプロフィールを読んだ。


その内容は、従兄弟同士である男女がいて、女の方に縁談の話が来る、というものだった。


ふむ…。













「その女は縁談の話を断ったが、両親はそれを許さなかった。そして、その従兄弟の男が女を救い出し、2人で家出。そのあとは…女がある男に恋をし、その男と従兄弟同士の男女は…幸せに暮らしました…とか?」



乱歩「莫迦なの?」



「うるさい餓鬼。じゃあなんだ、お前はわかったのか?」



乱歩「簡単だよ。」












乱歩は、従兄弟同士の男女はお互い恋に落ちており、縁談の相手との結婚を嫌がる女を見て、男は駆け落ちを決意したが、数ヶ月逃げ延びたところで殺されてしまうと言った。












海螺「わぁ…!さすが乱歩くん!正解です!この本は………あれ?」



胡羽「どうしたの?」



海螺「…内容が___________変わってる。」



「ッ…!」



乱歩「…は?」












乱歩は海螺の持っていた本を奪い取ると、最後辺りを隅々まで読み始めた。


そして、信じられないといった顔をして、本を落とした。












乱歩「これ…どうして…?この内容………羅刹が推測した内容と同じ(・・・・・・・・・・・・)だ…!」



海螺「…あ、そういえば!」











乱歩の言葉を聞いて、ハッとしたように海螺は声を上げた。













海螺「これ、僕がifのストーリーとして書いた方でした!原作は乱歩くんが正解で、こっちは羅刹さまが正解です。」



乱歩「なぁんだ!びっくりさせないでよね!」



胡羽「んもー、海螺ったら!ほんっとおっちょこちょいなんだから!」



海螺「うぐっ…!」












海螺をつつく胡羽を見ながら、乱歩の頭に手を置いた。


乱歩は俺を見上げ、不思議そうな顔をした。












「…君はすごいな。俺は以前にifの方を海螺から話を聞いたことがあったから少しはわかったが、原作を全て当ててしまうとはね。」



乱歩「?羅刹はわからなかったの?僕でもわかったのに?」












拍子抜けしたような表情で、乱歩はそう言った。


…乱歩は恐らく8つくらいの歳だろう。


その年の少年が、本の内容を全て当てるだなんてこと出来るやつは少ないだろう。


少なくとも……俺は、分からなかった。


だが、乱歩は原作を当てた。


つまり、乱歩は俺以上の頭脳と推理力を持っている。



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作者名:七瀬 | 作成日時:2023年3月26日 2時

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