1話 ページ2
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調査兵団本部にて、調査兵団兵士長であるリヴァイが不機嫌そうに廊下を歩いていた。
そして迷いなく団長室の扉を開け、団長のエルヴィン・スミスに詰め寄った。
リヴァイ「おい。あの“放浪娘”はどこ行った。」
エルヴィン「ノックをしろ…。」
エルヴィンは咳払いをし、地図を出して1つの場所を指さした。
エルヴィン「次に我々が向かうエリアへ行っている。もうすぐ2ヶ月経つから、そろそろ帰ってくるだろう。」
リヴァイ「チッ。また一人で行きやがって…。」
リヴァイはそう吐き捨て、団長室を後にした。
一方その頃、壁外エリアでは＿＿＿＿＿＿。
「ｸﾞｩｰ……おなかすいた。」
巨人がはびこる森の木の上で、1人の少女が腹を空かしていた。
彼女の名はカトリシア・バアル。
調査兵団の隠密隊創設者であり、隠密隊隊長である。
彼女は1年のほとんどを壁の外で過ごしており、壁内にいることが稀という異常な生活を送っている。
「…パンなくなっちゃった。帰ろ。」
そして、帰ろうと思った時は仕事を終えたときではなく、お腹がすいた時である。
気まぐれで自由。
猫を超えて翼を持つ小鳥のような彼女だが、実力は確かなようで巨人に気づかれることなく森を抜け、ものすごいスピードで壁に向かって走った。
その際巨人はカトリシアに気づくことは無く、まるで彼女がそこに居ないかのようだった。
カトリシアが壁に着くと立体機動装置で壁の上に登り、壁外エリアを振り返って眺めていた。
リヴァイ「遅ぇぞ、この放浪娘が。」
「…リヴァイ。」
リヴァイ「“さん”か“兵長”を付けろクソガキ。」
壁の上で彼女を待ち構えていたのはリヴァイで、カトリシアはリヴァイの言葉にむくれてぷいっとそっぽを向いた。
その様子にリヴァイは溜息をつき、壁内へと降りて行った。
その後に続いてカトリシアも壁内へと降り、リヴァイの後を歩いた。
リヴァイ「怪我はないか。」
「ない。」
リヴァイ「そうか。飯は？」
「たべてない。おなかすいた。」
リヴァイ「…どっか寄るか。」
「！」
カトリシアは目を輝かせ、リヴァイの腕に抱きついた。
「おごりなのか？」
リヴァイ「そうだな。」
「やった。リヴァイはいいやつだ。」
リヴァイ「…そうか。」
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作者名：七瀬 | 作成日時：2024年4月4日 22時
