・(本編) ページ26
「長月!お前また心春に!」
「長月!ふざけんな!」
「先輩、そんなことして楽しいんですか?」
美川信者にフルボッコにされながら過ごした、一年生。
無論、私は何もしていない。
偽造工作、偽造工作の美川だった。
アイツはそれ程に愛されていた。
そのうち、友達は淳也と薫だけになっていた。
と言うかこっちから願い下げたよ、あんなクズのくのたまなんて。
「心春ちゃんになにすんだ!」
『何もしていませんが?』
知らねぇ奴に喧嘩を売られたりしたので、勿論買っていた。
ホグワーツ時代から喧嘩はしていたので余裕だった。
「先輩ぃ、僕ぅ、新作のクスリ作ったんですよぉ。あげますねぇ。」
「これ、おれの頬の分の傷な?」
さっき倒したセンパイに甘ったるい口調でわざと喋りながら、3日間ゲロり散らかすクスリを渡す淳也、忍び刀でザクザクやってる薫。
『……。』
私も無言で顔を蹴って、相手は鼻血を流しながら倒れた。
こんな噂が立ったから、皆に恐れられた。
これは、忍術学園の都市伝説になる前の話。
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それは、二年の合同実習の時だった。
私は不運な事に、美川心春と同じ班になってしまう。
内容は簡単。
城の兵の人数を調べるだけ。
あ、班によっては火薬の数、とかもね。
「ひっ、あっ……Aちゃんが睨んできて……」
「長月!ホントなんなの!」
「謝って!」
ウザったい言葉を聞き流しながら、偵察をする夜の木の上。
うるせえよ。敵に見つかったらどうすんだボケ。
本当に日本人は陰湿だな。
同い年のイギリス人の方が賢かった.
その時だった。
後ろから伸びてきた手が私の髪を掴む。
そして上に引っ張られた。
『ッ!』
痛みに悲鳴をあげそうになったがこらえる。
敵に見つかったら面倒だ。
「なんなの?アンタ。心春にさぁ。いっつもいっつも。ホントウザいわ。」
取り巻きの一人だった。
美川はニタニタ嗤っている。
お前だな、指揮をしたのは。
「償えよ。」
髪が、ジャリッ、と切られた音がした。
えっ、と思うまもなく、ドンと押されて、私の体は重力に従って夜の闇に落ちていった
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綾部伊沙(プロフ) - れいら・マリもオワゴリラさん» コメントありがとうございます! 正直忘れかけてたこの作品…笑 更新いつか受験が終わったら更新するので今後ともよろしくお願いします! (2022年12月6日 21時) (レス) id: b1825981c0 (このIDを非表示/違反報告)
れいら・マリもオワゴリラ - こんにちわ。この小説読みました。こんなに面白いお話初めてです!思わず吹き出しちゃいましたw更新楽しみにしております (2022年11月26日 23時) (レス) @page33 id: 661d7579e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾部伊沙 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e8e9c819a37/
作成日時:2022年3月7日 16時