関係ない 太宰治(黒の時代) ハイミルクチョコレート ページ17
「ただいまー。」
『お兄ちゃん、おかえりなさい！』
今日も兄は傷だらけで、血の匂いがする。
「はぁ、聞いてよー今日ね、豆腐の角で頭ぶつけてってゆう方法を聞いて試したんだけどね、豆腐が思ったよりも柔らかくって。」
前に中原さんっていう人に聞いたことでは、お兄ちゃんがこういう顔を見せるのは限られた人にだけだそうだ。
それがとっても嬉しかったことを覚えている。
もちろん今も、それを思い出してすごく嬉しい。
「A、考え事？」
『あ、ごめんね。そーいえば今日中原さんに会って』
お兄ちゃんの笑顔が固まる。
ギギギギギッと音がしそうなスピードでこちらにゆっくりと顔を向ける。
口だけ笑っている怖いお兄ちゃんの完成だ。
『お兄ちゃん？』
「へぇ、そう。中也と会ったんだ。やけに機嫌が良かったはずだよ。」
『あ、ごめ…』
「ご飯は？」
『まだ…作ってないよ…。』
すると、Uターンするように玄関に向かってゆくお兄ちゃん。
『どこに、』
「今日遅くなる、織田作達と飲んでくるから。」
玄関を荒々しく開け、外に出ていった。
私は呆然と見守ることしかできなかった。
寝る時間はとうに過ぎ、時計の長針はてっぺんよりも少し傾いている。
本物は待っていようと思ったのだが、もう限界のようだ。
私は渋々立ち上がり、寝室へと向かった。
しばらくすると、部屋の扉が開く音がした。
「ただいまーってもう寝てるか。」
まだ寝ていないが、驚かせるために寝たフリを決め込む。
「こんな可愛い顔しちゃってさ、本っ当にムカつく。」
頬に口付けられた。
「ほら、寝てないなら早く起きなよ。」
『バレてた？』
「で、なんで蛞蝓なんかと一緒に居たわけ？」
『それは…言えない。』
実は、兄に誕生日プレゼントを買うために買い物に付き合ってもらっていたのだ。
「へぇ、私にも言えないんだ。そ れ な ら。」
と言いながら私の上に跨ってきた。
「教えてくれるまでいっぱいイジメなきゃね。」
服のボタンに手をかける。
満更でもないんだが、さすがにやばい。
『まま待って、私たちきょうだ…』
「関係ないよ。」
綺麗だねー。
と言いながらどんどんと脱がせてゆく。
『でもっ！』
「早く言わなきゃこのまま食べるよー？」
いや、嬉しいけど。
【へえ、嬉しいんだ？】
口に、出てた？
お兄ちゃんにはかなわないと、改めて思った。
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ミレー様リクエストありがとうございます！！
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水上灯 - あのゴーグル恨んでやる、でちょっと笑いました(笑) (2022年10月13日 17時) (
レス) id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
？ - 侍従長最高過ぎますｯｯｯｯ(泣) (2022年2月22日 0時) (レス) @page4 id: 5863b45db6 (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - 雪乃さん» 大丈夫です(v^ー°) (2021年2月24日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - ミィさん» ですね（笑）なんか可哀想な感じになってしまいました() (2021年2月24日 16時) (レス) id: e99d9af258 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - 鮭大根大好きさん» きっと、きっと大丈夫です() (2021年2月24日 16時) (レス) id: e99d9af258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2019年12月27日 23時
