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68話 ページ20

さ「ふっw
A顔真っ赤wしかも何でも敬語?w」




『べっ別にいいじゃないですか…』




こんなつもりじゃなかった

さとみくんの反応は私の予想の上をいった

普通、ありがとうとか照れるところじゃないの?
ドラマとかではそうだよね?!

なのに彼、さとみくんは大爆笑している

そんなに笑うところなのだろうか、私には理解し難い




さ「ごめんごめんw
ありがとう、嬉しいよw」




『もういいです!』



相変わらず笑っているさとみくん

なんで…あんなに笑ってるんだろう

私はあんなに頑張ったのに…?心臓バックバックだったのに

なんだか笑われた自分が恥ずかしくって、さとみくんを置いて屋上へと走り出そうとした



さ「!…まって」



それに気づいたさとみくんはすぐさま私の手を掴んだ
私が振り返るとバッチリ彼と目が合った

が、

まだ許してやらないぞ、と言わんばかりに私はぷいっと視線を逸らしてしまった



さ「ごめん…まだ怒ってる?よね…」




『別に…怒ってなんか』




さ「じゃあこっち向いて」



さとみくんの手が伸びてきて、私の視線が強制的に彼へと移動する
顔をさとみくんの両手で固定され、俺以外見ないで、と言われているようだった



さ「笑ってごめん…俺、照れ隠しでつい…

さっきの言葉、ほんとにめっちゃ嬉しかった」



『っ…』




ただでさえ顔が近くてドキドキしているのに、そんな甘い言葉をかけられてしまったら、私の心臓はもう破裂寸前だ




『さとみくん…その…恥ずかしいから』




さとみくんから少し離れようと、遠慮がちにさとみくんの彼を叩いた




さ「あ…あぁごめん
あっでもまって、最後に一つだけ」





なんだろうと思ってさとみくんを見ていると、どんどん距離が近くなっていて…









さ「ん…

お詫びのちゅーってやつ…?」








『…へ?』







さ「…あっ!ってか時間やばくない?お昼食べよ〜!」



『…え?あ、え』




今…何が…
状況が理解出来なくて、さっき起きたことを思い出す

私、さとみくんに今…



『おっおでこにちゅーされた…』



私はまだかすかに感覚が残っているおでこを手で覆いながら、平然とお昼の準備をしているさとみくんを、しばらくぼーっと見つめていた

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作者名:みかんの果汁 | 作成日時:2021年1月2日 21時

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