政略結婚とはいえ、許嫁の私より妹を優先するのですか？【d!】

16話 ページ17

『……………………はぁ…？』


　


急になんだ。いつも傍観していただけなのに。

困惑と、少し苛立ちを含めた声を発すると、彼は構わず話を進めた。




ゾム「まあ、アイツの行動は目に余ってたからな。今日は決定的な証拠掴んだったわ。……まあグルッペン達が信じてくれるかは分からんけど。」

『…………どういう事ですか。』

ゾム「そのまんまの意味やで。いやー嬢の部屋に盗聴機付けといてよかったわ。」

『……………？』




私の部屋に盗聴機を付けたことと、アイリスを殺そうとした？犯人との関係はあるのだろうか。

……というか何ナチュラルに部屋に盗聴機仕掛けてるんだ。いつの間に？……寝ている間だったら容赦しない。

ツッコみたいことは山ほどあったが、その話題は振ってはいけないような気がし、そっと口を閉じた。





ゾム「まあ詳しい話は後、な。今は庭に行かんと、またグルッペンに怒られるで。」

『…………行かないとなんですか？』

ゾム「俺も一緒に着いてったるから安心し。」

『………はい。』




どうせ行っても行かなくてもご立腹だろ、と渋っていると彼は何を勘違いしたのか護衛するから、とまるで泣く子を慰めるように言った。

そう言う今も、外は騒がしい。これは行かなきゃダメそうだな……。

はあ。大きい溜め息をつくと、私は扉を開け、外に出た。ふと後ろを振り向くと、ゾムは私のクローゼットを開け、何やら物色をしている。

………………このタイミングで？というか、クローゼットだから普通に下着入ってるんですけど。





『は？え、ちょ。何やってるんですか。』

ゾム「ん？いや、最後にこれ回収しとかんとな、って。」

『……………………なんですかそれ』




不自然な行動をしている彼を問い詰めると、平然とした顔でこちらに“何か“を見せた。

よく見てみると、それは白色の粉が入った小瓶で。

見覚えのないものがクローゼットに入っていたことに疑問を覚えながら、彼に問いかける。




ゾム「ま、直にわかるで。」

『え？あぁ、はぁ………』




期待していた答えとは少し違い、焦らされたことに若干むず痒さを覚えながら、私は彼と庭へ向かった。

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