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『もしもし、こちら国立病院です。』
(よ、よかった繋がった……)
緊張で握りしめていた手の力をふっと弱めた。
「あ、あの……、夜分遅くに申し訳ないんですが…、そちらの病院に…キム Aさんという方はいらっしゃいますか……？」
『キム Aさんですか……？』
電話の向こうの看護婦さんが、確認しているのが分かる。
背中に冷や汗が流れるのがわかった。
(もし、もう既に死んでいたら。)
私の名前は名簿にはないだろうし、もちろん病室だって……。
『はい。いらっしゃいますよ。』
「…………え、……」
(……そっか……。私まだ生きてるのか……。)
安心と、いっきに溶けた緊張の疲れで、思わずため息が出た。
「ありがとうございました。」
電話を切って、その携帯の画面をしばらく呆然と見つめた。
「私がまだ生きてるってことは、ソユンちゃんもまだ生きてる……。」
それでも、いつ死ぬかは分からない。
明日かもしれないし、明後日かもしれない。
「早く、早く元に戻らなきゃ。」
もう、私は十分幸せを味わったと思う。
きっと、神様が死ぬ前の私にこれをプレゼントしてくれたんだ。
『ユンギさんに会える』っていう、プレゼント。
「別れが名残惜しくなる前に……」
時計を見ると、針はもう11時30分をすぎていた。
(明日、病院に行って、ソユンちゃんに会おう。)
それで、2人で元に戻れる方法を考えよう。
まず、今日すべきだと思っていたことがなんとか終わったので、一気に眠気がやってきた。
「明日も朝から仕事だって言ってたな……」
ベッドに入って、瞼を閉じる。
思いのほか疲れていたのか、それからすぐに意識を失った。
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有彩色(プロフ) - MA SAKAさん» 最後まで読んでくださってありがとうございました！！嬉しいお言葉も頂いて……、この作品を作ってよかったと感じました。コメント、本当にありがとうございます！ (2022年8月26日 13時) (
レス) id: 09caf7b163 (このIDを非表示/違反報告)
MA SAKA(プロフ) - 本当に本当に素敵なお話でした。止まらず一気に読んでしまいました。素敵な時間をありがとうございました！ (2022年8月3日 21時) (レス) @page43 id: 17b1d798c7 (このIDを非表示/違反報告)
有彩色(プロフ) - yume m_さん» ボロ泣きしてくださったんですか…嬉しいです！！こちらこそ素敵なコメントをして下さってありがとうございます！！ (2022年4月25日 23時) (レス) id: 09caf7b163 (このIDを非表示/違反報告)
yume m_(プロフ) - 夜中なんですが一気に読んでしまいました。そしてボロ泣きです（ ; ; ）涙と鼻水が止まりません笑 こんな素敵なお話に出会えてよかったです！ (2022年4月25日 1時) (レス) @page43 id: 5d5dd9302d (このIDを非表示/違反報告)
有彩色(プロフ) - miiさん» ありがとうございます！！そう言っていただけて本当に嬉しいです。最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2021年9月10日 9時) (レス) id: 57c9d142db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有彩色
| 作成日時：2019年10月19日 23時
