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遠征期間は1週間。戦時中の某国のトリガー鹵獲だ。着くと銃声音や叫び声が響く。今回は隠密行動するのが重要だ。オペレーターの情報と蓮月の千里眼を元に作戦が始まる。
隠密行動とはいったものも某国の黒トリガー使いに発見され戦闘が開始された。黒トリガー使いに太刀川と風間、サポートして蓮月が対応している。風間の
「すっげぇな……」
周りのトリオン兵を対処していた出水は感心した。今の自分には無理だ。同じA級でもあそこまで差があるのか。実力差を感じていると国近がインカムから叫でいた。
『出水!前からきてる!』
「うわっ、やべっ!」
余所見していた。シールドを張るが、トリオン兵が出水に集中攻撃をする。壊されるのも時間の問題だ。
『よく耐えてんね』
ズドン!
トリオン兵の核が撃ち抜かれる。
『後のは自分で対処できるでしょ?』
「あ、あぁ。サンキュー」
『いーえ、どういたしまして』
プツンとインカムは切れた。
出水の距離から蓮月の距離まで600m離れている。しかも太刀川達のサポートで回っている筈なのに、こっちの戦況まで見るなんて人間業ではない。
「化けモンかよ」
出水は両手のトリオンキューブを合体させ、無数の光を残りのトリオン兵にぶつけた。
真っ青な空には不似合いな瓦礫の山。戦闘は終わり、遠征部隊はトリガーの回収へ。何処もかしこもトリオン兵の残骸ばかり。トリガーなんてあるのか?って疑問を持ちながら探していると、糸が途切れるようなか細い声がした。辺りを見渡すも人の影は見えない。声を頼りに出水は向かう。
「た……すけ……」
戦いに参加した軍兵だろう。助けを求めるように軍兵は手を伸ばす。出水はその手を受け止められなかった。軍兵の両目は潰れている。下半身は瓦礫の山に埋まっていた。
一目瞭然で助からないと理解った。それでも軍兵は必死に助けを求めている。苦しみから解放されたいのだ。
「生き残りか?」
背後から太刀川と風間、蓮月がいた。軍兵の元に蓮月は近寄り、伸ばした手を握る。
「苦しいよね。救けてあげようか?」
「あ……あぁ」
「いいよ」
蓮月は孤月で軍兵を刎ねた。
ピチャと血飛沫が蓮月の頬につく。
「は?」
そんなあっさり殺すのか?
目の前の光景に出水の脳は追いつかない。
だが、太刀川たちは平然としていた。
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ミー(プロフ) - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2022年12月17日 22時) (レス) @page33 id: a2f01b8bd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミワ | 作成日時:2022年10月24日 22時