【d!】この世の真理は結局顔【実ｼ兄者】

距離感isクレイジー ページ5

｢いや〜、入学式かったるかったな｣

｢何で当たり前のように一緒に帰っている？？｣


(渋々)連絡先を交換した後、何故か私は造形美と一緒に帰っている。何故？？
当たり前のように帰路に向かってる私もなんか若干流されてない？あれ？もしかして私：チョロい


｢あ、ゲーセン行かん？｣

｢初対面で友達になったばっかの人と行くところじゃないだろ｣


隣の造形美がゲーセンを指差しながら遊びに誘ってくる。距離感狂ってるだろ、友達になったばっかの人誘うな


｢てかゲーセンって行っていいんだ｣

｢うちの高校校則基本自由みたいやしな｣


校則の書かれた生徒手帳を見せながら造形美は言った。知らんかった、生徒手帳とか正直あんま見る人いないだろ

流されるがままゲーセンに連れてかれる
2年ぶりのゲーセンだ。懐かしい気もする


｢はぇー、相変わらず繁栄してるなこのゲーセン｣

｢来た事あるん？｣

｢中二の時にちょっと｣

｢へぇー、1人で？｣

｢いんや、クソ元彼｣


例のクソ元彼を思い出してそっと中指を立てた。今度は心の中じゃないよ、リアルでだよ

そんな私の様子を見た造形美は少し哀れんだ目で｢なんかゲーム奢ったるわ…｣と言ってきた。やめろ同情するな造形美の癖に(？)


｢なんかしたいゲームある？｣

｢クレーンゲームかガンゲームしたい｣

｢ええやん、先にガンゲームやろ｣

｢スコア負けた方アイス奢りな｣

｢春先のアイス寒ない？｣


機械に金を入れて構える。気持ちは例のゾンビゲーだ。中二の頃は怖がって出来なかったけど今じゃこのゾンビ達をクソ元彼と思って出来る。よし全員倒そう。過去の私の仇だ

隣の造形美も構え始める。ゲーム奢りにアイス奢りも掛かってるから真剣そうだ。はぇー真剣な顔も彫刻の如く美しいな(詩的表現)


｢なんかゾンビ達逃げるんだけど！！｣

｢殺気凄いんやないの？｣

｢やば、殺気でゾンビ達退けてんの私｣


段々楽しくなってきた私達は大はしゃぎだった。周りの人達からした2人してゲラゲラ笑いながらゾンビガンゲームしてるやべぇ奴らだったと思う

まぁ勝負の結果なんですけど


｢は？スコア1負けとか認められないんだけど｣

｢奢りあざまーす｣

｢絶許｣

｢言い出しっぺの法則｣


愉快そうにそういう造形美を小突いてやりたかった。いや小突くだけでは許さない。蹴り飛ばしたい

……あれ？なんか私造形美と仲良くなってない？楽しんでない？？

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