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　・好きなだけ服を買いたいページ5

「おはよう。」

『おはよう。』

私が起きるともうお兄さんは起きていて、朝ご飯を作ってくれた。

「今日は何をするの？」

『今日は好きなだけ服を買おうと思ってたんだけど、実はそんなにお金持ってないんだよね。』

「昨日、髪染めたしね。」

『意外とお金かかるんだね。』

「あの美容室、特に高いしね。」

『そうなんだ。』

分かりやすく落ち込んでいると、お兄さんは私の頭をなでて、

「心配しなくても、お金は俺が出すよ。好きなだけ買いな。」

そう言って笑った。

『でも、』

「大丈夫。どうせ使うことないし。」

『ありがとう。』

朝ご飯を食べ終わって、二人で準備をして、お兄さんがおすすめだというお店に連れてきてもらった。

「じゃあ、選んでおいで。俺はここで待ってるから。」

『うん！』

お店の入り口のベンチに座ったお兄さんに手を振って服を選びに行く。

今日から死ぬ日までのコーディネートを考えながら選ぶ。

気づいたら2時間もたっていて、慌ててお兄さんの所に戻る。

「決まった？」

『うん。こんなに待たせちゃってごめんね。』

「大丈夫。最後の思い出作りなんでしょ？」

『うん。ありがとう。』

「よしじゃあ、買おっか。」

時間もお金もたくさんかかったのに、お兄さんは文句も言わずにずっと笑顔だった。

しかも、

「これ、似合うかなって思って買っちゃった。」

きれいなネックレスをプレゼントしてくれた。

きっと、向かいにあるお店で買ったんだろうな。

『ありがとう。』