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JHside
セギの姿を、久しぶりに見た気がする。
それ程までに焦がれていた彼女の姿は、なんだか俺の知っている姿とはかけ離れていて。
目の前のステージでライトに当てられて輝いている彼女はとても星のように綺麗で、どこか遠い存在のようだった。
背中がざっくりと空いたデザインなのに上品な造りのシルバードレスに身を包み、短く切り揃えられたホワイトに近い金髪。
それでも爛々と輝く黒曜石のような黒い瞳は変わらない。
俺の知っているセギだ。
今、目の前で話して、笑っているその姿はセギでいてセギじゃない他の誰かのようで、それでも俺はこの笑い方を知っていて不思議な感覚だった。
画面上で見た事があるから、知っている。
でも俺はこれじゃない笑い方も知っているんだ。
あの下手くそで不器用な笑顔を。
ふと視線を上げると俺らしか知らないであろうその顔で横に居る男に向かって微笑むセギと、
それに応えるように綺麗に笑う男が視界に入った。
「…っ、チッ。」
誰に許可を得て笑いあってるんだ。
セギと仲良さげに腕を組んでいる男が気に入らない。
顔のパーツというか雰囲気がどことなくジュンフィに似ているからか、身近な人間がそばに居るようで何だか余計に腹立たしい。
「えっハニヒョン何!?」
思わずそばに立っていたジュニを肘で小突いてしまうくらいには、セギと男は近くでベタベタと話している。
時折見せるセギの表情は、演技だけじゃなく俺らが知ってる素の表情が見え隠れし出す。
面白くない。
「あの男ベタベタしやがって…一体誰に許可得てんだよ…。」
「どの立場でそれ言ってるの?誰目線?」
ジスが苦笑しながら俺に言ってきたが無視。
モヤモヤとする感情を抱えながら舞台挨拶が終わり帰ろうとした時だった。
「…久しぶりだな、お前ら。」
耳慣れた声がした。
ずっと、ずっと聞きたかった声。
手を伸ばそうとした俺の腕より先に、腕が伸びてセギを抱き留めたのはミンギュ。
苦しそうにそこから顔を出したセギ。
ミンギュの腕から離れた瞬間俺は思わず、セギの肩を掴んだ。
ギギギッとした音がかかりそうな程のぎこちなさで振り返ったと思ったらゲッ、とした顔を浮かべるセギ。
久々に近くで見たセギの顔は、クマもなく肌も綺麗になったがあの頃のままで。
「よ、よぉ!何時ぶりだろうなオネーサンッ!」
「今まで何してたんだよ。」
連絡も付かないしと小言を言うとあの時と同じように少し困った顔でセギは笑った。
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ぴ(プロフ) - 最高でした… (2月29日 6時) (レス) @page50 id: 9dcff58a0e (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - jsmn579733371さん» ありがとうございます〜!顔が好みすぎてお亮さん拝借しました笑 (2020年4月12日 0時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
jsmn579733371(プロフ) - 主演俳優枠が吉沢亮なのがツボすぎて! (2020年2月20日 2時) (レス) id: bc3a6c1f44 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - かとれあさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しい限りでございます泣 これからも頑張りますね! (2020年2月18日 21時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
かとれあ(プロフ) - やさぐれ姉さん大好きです(*´˘`*) (2020年1月27日 5時) (レス) id: 3fa9c6cc95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2019年9月22日 8時