やさぐれ姉さん。3【SVT】 (ページ2)

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あれから（SC）ページ2

SCside

セギさんが居なくなってどのくらい経つだろう。

最初は機嫌が悪かったり、悲しみに暮れていたメンバーも多かったけれど最近やっといつもの調子に戻り出した。

ジョンハナの夜中に行くコンビニも無くなった。

ウォヌのゲーセン通いも無くなった。

ジフナのパン屋巡りも無くなった。

ミョンホの近所のカフェ通いも無くなった。

全て元通りの日常になっただけの筈なのに、最初はいやに違和感があって。

あぁセギさんはそれほどに俺たちの生活に馴染んでいたんだなと痛感させられる。

そんな中決まった日本デビュー。

だいぶ落ち着いてきた俺達も日本という単語に思わず反応してしまうくらいだ。

まだセギさんのことは抜け切らないらしい。

「なぁスンチョル。」

「なんだ？」

「……いや、やっぱり何でもない。」

何か言いたげな表情(かお)をしたジョンハン。

言わなくても何となく伝わった。

きっとこう聞きたかったんだろう。

「来てくれるかは分からないけれど、きっと居るよ。セギさん(あの人)は日本に。」

「……別にどうでもいいし。」

ぶっきらぼうに言い放つ割にその顔は全然どうでもよさげじゃなくて思わず笑ってしまう。

素直じゃないなぁとからかってやろうとも思ったが今拗ねられると少々面倒だ。

「やっとここまで来れたんだ。セギさんの故郷でもある日本デビューまで、やっと。」

長かった道のりを思い出しながらハニに言うとそうだな、と同意される。

「しっかりと見せてやらないとな。俺たちの成長した姿。」

「そもそも俺らのこと覚えてんのかな、セギは。」

「………そこは覚えてると願うしか無いなぁ。」

「え、やけに間があったな今？」

自信ないんだ？とニヤニヤ笑われるから、あるわけないだろうと軽く睨むとケラケラ笑い出すユンジョンハン。

そんな彼に軽いため息をつきながらもスマホで調べてしまうのは日本の観光名所やグルメだけじゃなく

今の日本の芸能人情報なども入っている。

確かに言ったんだ、セギさんは演技がしたいと。

自分の意思で、もう一度舞台に立ち演技がしたいと言ったんだ。

そんな事があったせいか、ミンギュとスングァンの定期的に開催されている日本映画鑑賞会の頻度は急激に増していき、

もはや観覧していないものは無いのでは？そんな勢いに迫るくらいの量を鑑賞していった。

そこまでやりきってしまった２人には呆れを通り越して感嘆の声が出てしまう。

ねぇ、セギさん。

元気ですか？