いつかのフィルムに (ページ26)

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本当はページ26

(太輔side)

夜中の1時になってもAは家に戻らなかった。

心配になって外へ出ると、30メートル程先に人が倒れていた。

まさか、、、。

そう思って近づくと、いつも彼女が持っているバックが道路に落ち、彼女がうつ伏せになって倒れていた。

〈A…？！〉

〈おい、！大丈夫か？！しっかりしろ！〉

体を抱き起こすとコート越しに火照っているのがわかった。

──────

〈よくここまで我慢してましたね…栄養失調と脱水症状、過労まで…。しかし、2日もすれば体調戻ると思いますから安心してください〉

医者は彼女の診断をこうのべた。

栄養失調なんて普通に生活していて簡単になるようなもんじゃない。

俺がもっとちゃんと見ていれば……

彼女の服を取りに戻る途中、北山が車椅子でAの家の前をうろついていた。

〈お前…〉

『藤ヶ谷…？』

〈なんでここに、〉

『弁当箱、返そうかと思って』

〈Aなら今ここにいない〉

『いない？、仕事中､』

〈違う。病院で寝てる〉

『病院？！なんでだよ、』

〈お前、本当は記憶なくしてなんかないんだろ…？〉

『っ、、それは…』

最初からそんな気がしていた。

彼女のことだけ忘れる、そんなはずがない。

〈あの日お前が言ったこと、覚えてるよな？〉

それは北山が九州へ引っ越す前の人出来事だった。