お願い ページ19
家に帰って仕事の資料を作っていたら、沖縄の写真が出てきた。
それを1枚1枚丁寧に見直した。
私の写真を彼が撮っていたことを知り、自分の中にあった彼への気持ちを伝えよう、そう思っていたのに。
そんなことを考えながら私は寝落ちしてしまっていて、夢の中で彼との学生時代を思い出していた。
────
『なぁ、お願い聞いてよ』
教室で委員会のポスターを描いていたら、宏か急に前に座って話しかけてきた。
あぁ、なんで彼はこんなに制服が似合うんだろう…
「珍しいね、なんのお願い?」
『お前の弁当食べたいんだけど』
「はぁ〜?なんで急に…」
『俺の友達、みんな彼女に作って貰ってんだよ、1回だけ、いいだろ?』
お願い!ってポーズしてるの初めてみたい、必死で可愛くて、ついに私はOKしてしまった。
けれど、他の人みたいに私は料理が出来ないから、徹夜で作ったお弁当は、ご飯とウインナーと大量の卵焼きだけになった。
「はぁ……持ってくのヤダなぁ、、」
約束したから渋々持っていくと、宏は飛んで喜んだ。
「あのさ、作っては見たけど、友達には見せないで」
『え?、なんでぇ?!』
「いや。中身がアレだし、卵焼きもね、多分凄いまずいと思う…」
『おけおけ、さんきゅ!洗って返す!』
うぅ……聞いてたのかなぁ。
私は友達とお弁当を食べてる間、気が気じゃなかった。
「はぁ、、」
〈どうしたん?元気ないじゃん笑〉
「今日さ、宏にお弁当作ったんだよね…」
〈ええっ?!もしかしてあのあまーい卵焼き入れたの?!笑〉
と、友達にまで言われてしまう始末。
帰り道、部活で走っている宏を横目に私はとぼとぼ帰った。
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作者名:ユナ | 作成日時:2019年12月10日 10時