【 ky 】 最 後 く ら い は 華 や か に 。【 男主 】

#/19. ky side ページ19

「出ない」

「どうしたんだろ」

打ち合わせでレトさんと会っていた。
ガッチさんがこないだ家に行ってくれて少し面倒見てくれたらしいけど…かなり溜め込んでたらしい。
泣いて疲れて寝た、とメッセが来た

それから少し連絡取ってなかったけど、レトさんが「Aくんが出ない〜」とか言うから電話かけてるけどほんとに出ない

何してんだよあいつ


イノうるさい


電話を切ってすぐそんなメッセが来た
イノから。


キヨ何してる?ってレトさんが


イノ一昨日からずっと寝てる何もしたくない無理


改行もせず、ただただ文を打ってくる

「寝てるんだって」

「寝すぎでしょ、行こ」

「少し心配だしな〜…行くか」

打ち合わせも終わったしタクシーでAの家に行くことに。
そのことを連絡したら『おけ』とだけ返され、そのままメッセージのやり取りは終わった。

2人で建物から出てタクシーを呼ぶ

あいつ飯食ってんのかな

──────

────

『…』

「おじゃましまーす」

「おじゃましま〜す、部屋どこだっけ」

Aの家に入り、あいつの部屋へと向かう
扉を開けて見渡した。
しっかりベッドに横になってる

「ほんとに寝てんじゃん」

「もう夕方だよ」

『寝てへんし』

声を発したA。その声は涙声だった。

体を起こしてこっちを見たそいつは目は真っ赤にさせて涙目で。

「…泣いてた？」

『泣いてへん』

「目真っ赤だけど大丈夫？」

『蚊に刺されたんやろ』

「この時期蚊はいねぇよ」

『はいはい』と言いながら立ち上がればAは俺らの間を抜けリビングへ向かった。
俺らはそれについて行く
こいつどうしたんだろ、めっちゃ様子おかしい

それから少しして椅子に座りそれぞれやる事をやっていた
と言っても基本携帯

「この家に引っ越したのになんでそんな辛そうなの」

レトさんが口を開いた。
それに対しAは少し間を置いて話し始める

『またリスナー来た』

「は？またかよ」

『出えへんかったけど1時間もドア叩かれてん、死ぬで』

「…なんでそんなお前は特定されんの」

『知らん、俺何もしてへんのにすぐ見つけんねん
その日ガッチさんが来た日やったけど帰ってたしどうすることも出来んかった』

Aは携帯から目線を外さず淡々と述べる

…ちょっと俺の方でも注意喚起してみるか

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