#/38. 簓 side ページ38
「…は…？」
「私、Aくんと話す簓君が好きやねん、…せやから…その、別れて欲しい」
「…そうなんや…」
高校3年生になってすぐ、2年付き合ってた彼女にフラれた
理由はAと喋ってる俺が好きやから
…なんやねん。
俺結構本気で好きやったのに。
…Aがおらんとあかんのか
けど2年前、Aが委員長と話し始めた時から俺は全く喋ってへん
年1メッセージを送ってるだけや
「…」
まぁ、一方的に俺が喋らへんくなっただけやけどな。
醜い嫉妬っちゅうわけや
ええ加減Aと仲直りしなあかんなぁ
喧嘩とかしてへんのやけど
Aは今、誰とも話してへん
2年前に比べて喋る相手も友達も減ってると思う
ええ奴なのに。誰もAの魅力に気付かへん
ふと気づいた。
俺がいっちばん好きなんはAやって
さっきフラれた子よりもAが好きなんやって
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
放課後、職員室から教室に戻ってきた
教室にはA1人窓の外を眺めては写真を撮っている
『…あ、ササちゃんや』
「…A、Aっ…」
教室に2人きり。今しかないって思ってん
走ってAの方に向かえばスマホを取り上げ棚の上に置き、Aの両腕を気をつけの状態で押さえつけた
『…急になんやねん』
「っ…なんやねんって…そんな冷たい態度取らんでもええんちゃうか！？」
『…いつも通りやろ』
Aは俺から顔を逸らし窓の外を見ている
窓は全開。風が入ってきて涼しい
校舎の外には下校途中の生徒数名が話しながら歩いていた
「話せへんのめっちゃつらいんやで！」
なんで自分がキレてんのか分からへんけど、何故かAに当たってしまう
「俺は！Aが好きやのにっ…お前は1年の頃は委員長と色々食べに行って…俺もAとした事あらへんのに…」
「…俺の気持ちは本気やのに、いっつも嘘ついて流すし！なんなんほんまに…」
俺のそんな暴論にAは黙って聞いてくれていた
この声は外まで響いてるやろうな
そんな気がする
そして無言の気まずい時間が数分続き、ようやく口を開いてくれた
『それは簓の方やろ！？アホなんちゃうか！？なに自分が1番の被害者みたいな話し方してんねん！！』
Aの大きな声に驚いて押さえつけていた手を離した
…こんな怒ったA初めて見た
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錐餌八戸 - ほほぉ？委員長腐女子かあい？ (2019年10月29日 21時) (
レス) id: 4c2bbdb596 (このIDを非表示/違反報告)
トムラ(プロフ) - 凄く面白いです。作者様めっちゃ文才ありますね…羨ましいです。委員長と夢主君の絡みが特に好きだったりしますw (2019年10月29日 15時) (レス) id: 6a3772bd13 (このIDを非表示/違反報告)
待つポックリ - はじめから読ませて頂きました。この小説を読んでいる心が落ち着きます。私は恋愛、友情でどちらかと言うと恋愛(BL)のほうが好きなのですがこの小説を読んで友情系もいいな、と思いました。文章力のあってとても読みやすいです。更新頑張ってください。 (2019年10月23日 22時) (レス) id: bd44181088 (このIDを非表示/違反報告)
樂-らく-(プロフ) - とても面白かったです！続き楽しみにしてます！ (2019年10月18日 16時) (レス) id: 1cdd0676ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：何某
| 作成日時：2019年10月18日 7時
