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叩かれた。
ヒリヒリする

「私には彼氏がいるの。そこに子供が入ってこないで」

『…その人にご飯奢ってもらってんねや。色んな事してるんや。俺を置いて!2人で楽しく過ごしてるんだ!』

「うるさい!」

また1発、2発、と叩かれていく
それでも俺は言葉を止めない

『その男の人も可哀想やな!裏のお母さんの顔を知らへんのやから!こんな「愛してる」なんか言いながら子供を叩く様なお母さんを好きになってほんまに可哀想!!』

初めて反抗した
俺の言葉と共にお母さんもヒートアップして叩く力が強くなる。
「うるさいうるさい!」と叫びながら俺を叩いて蹴って

『何やってんねん大人のくせに!仕事もせえへんし、夜遊びばっか!子供置いて!母親失格やん!!』

「うるさい!!!誰が育ててると思ってるの!!」

『育てられてへんわ!!こういう時だけ母親ヅラすんなや!お母さんのせいで学校でいじめられて行けへんねん!!…どないしてくれんねん…!』

「私は悪くない…!!全部あんたが判断できないから!!私のせいじゃない!!」

大きな声で数十分にも亘り言い合いをしていた
そんな時、チャイムが鳴った
生憎、インターホンのモニターなんてものはなく、覗き穴から外を見る

『…はい』

覗き穴から見てみたが汚れている為かあまり見えなかった

「あ、Aくん」

『……エミさん…』

「これ、3組の先生が1ヶ月分の宿題とかプリント渡してきてって」

『…ありがと』

「…大丈夫?」

『大丈夫』

「……嘘ついたらあかんよ」

何回も言うけどこいつほんまに同級生か
大人すぎる。

後ろではお母さんがイラついたように大きな足音を立ててテレビの前まで行っていた
下の人に迷惑になるからほんまにやめて

「遊ぼ」

『……』

「…皆は今日居らへんよ」

それを聞いて少し安心した
クラス替えがあった日から全く話せてない。
今日会ってすぐ話せる気がしなかった

エミさんほんまにわかってんなぁ

俺は2階に貰ったものを置き、着替えて外に出た

久しぶりの外
何も食べてないせいか少しふらつく

「ちゃんとご飯食べてる?」

『食べてるよ』

「…喧嘩はしてへん?」

『してへん』

「なんでそんなに細くて、痣が多くなったん?」

エミさんに聞かれて、俺は立ち止まった
エミさんの顔を見れば優しく、心配そうに微笑んでいる

口をパクパクとさせるが声が出ない

「…全部嘘やろ」

エミさんは優しく笑ったまま俺を見てそう言った

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うんちっち - おえおえあああああああヴぁああああああいいいヴぇええええええ゚(゚´Д`゚)゚涙がああああ (2019年10月15日 22時) (レス) id: 60f12b0c07 (このIDを非表示/違反報告)
何某(プロフ) - 餡バラードさん» ほんとにそれな (2019年10月14日 23時) (レス) id: 68c9bd79b0 (このIDを非表示/違反報告)
餡バラード(プロフ) - クラスの男子は怒られて、どうぞ (2019年10月14日 23時) (レス) id: b00f335520 (このIDを非表示/違反報告)
何某(プロフ) - ここの人達優しすぎて泣きそうです…、台風に気をつけてください…!! (2019年10月13日 13時) (レス) id: 68c9bd79b0 (このIDを非表示/違反報告)
すい - 夜中の2時に読んで泣いてました() 僕もこんな友達が欲しかった!w (2019年10月13日 1時) (レス) id: 9e64178d6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:何某 | 作成日時:2019年10月1日 5時

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