夕立・kwmr ページ4
『もう〜、なんなの!』
kwmr「仕方ないよ、雨だし」
今日はせっかく片想いの河村さんと、デート(というのは妄想で、本当はただの買い出し)の途中
なのに、いきなり夕立だなんて
kwmr「うーん、しばらくやみそうにないですね」
『そうですね〜、もう少し待ちますか』
ぶっちゃけ、こっちからしたら好都合だけど
kwmr「Aさん、寒くないですか?」
『大丈夫!河村さんは?』
kwmr「僕も大丈夫。それにしても、雨やみませんね」
『えっ?』
kwmr「ん?」
『あっ、なんでもありません』
kwmr「そうですか...」
今動揺したのは、朝読んだ小説のせいだ
主人公がヒロインに好意を上手く伝えられずに"雨やみませんね"というシーンを思い出したからだ
雨やみませんねって"もう少しそばにいたいです"って意味があるらしい
いや、わかってる。深い意味なんてないことくらい
でも、少しぐらい期待したいんだ
『それより、大丈夫ですかね?』
kwmr「何が?」
『今日の撮影に使うものを買いに行ったのに、全然帰ってこないから』
kwmr「さっき連絡入れたし、大丈夫」
『そうですよね』
kwmr「ねぇ、やっぱり気になるんだけどさ」
『なんですか?』
kwmr「さっきの驚きは何に対してのだった?」
『あぁ〜、あれはちょっといろいろあって...』
kwmr「色々って?」
『えーっと、その〜』
kwmr「なに?言えないようなことだった?」
『そうですね、ちょっと言いにくいです』
kwmr「そっか、ごめんね。しつこかったかな」
『いえ、しつこくないです』
『あっ、晴れてきましたね。河村さん!早く戻りましょう。伊沢さん達が待ってます』
kwmr「そうだね。早く帰ろうか」
ひとまずその場を凌いで、オフィスへと帰る
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作者名:零華 | 作成日時:2019年8月19日 22時