思い出の花火 隆弘side ページ24
｢何でここにいるの？｣
Aの元に小走りで駆け寄ると、小さな声でそう言われた。
隆｢Aの方こそ、何で……、実彩子は？｣
｢部屋で寝てる。｣
隆｢そっか、｣
そう言いながら、Aの手に握られたビニール袋に気づく。
隆｢何これ？｣
｢花火。｣
隆｢え？｣
｢今からするの。にっしーもする？｣
隆｢今からって…え？｣
いまいち状況が理解できないまま、Aに言われるままホテルを抜け出して近くの海に向かった。
隆｢ほんとに花火すんの？｣
｢うん。ダメ？｣
隆｢ダメっていうか……、てか何で修学旅行で花火？｣
｢うーん…、…どうせ夜は寝れないと思ったから。｣
隆｢あ、Aも布団変わると寝れない人？｣
｢…え？…そ、そう！そういう人！にっしーも？｣
隆｢うん。やっぱ自分の布団が１番だよなー。枕とか特に！｣
｢ははっ。おじさんみたい。｣
Aは吹き出すようにそう言って笑うと、台紙から花火を外して種類ごとに並べた。
｢どれにする？｣
隆｢んー…、これ！｣
｢じゃあ、私はこっち。｣
お互いの花火に火をつけて、火が火薬までまわるのをじっと待つ。
隆｢お、きたきたきた！｣
ゆっくりと炎が明るくなっていく。
｢わぁ…！綺麗…！｣
隣で満面の笑みを浮かべて、Aがぶんぶん花火を振り回す。
隆｢おゎｯ……ちょ、危ないからｯ………！｣
ビビって逃げ回る俺を、Aが花火を持ったまま追いかけてくる。
｢ほんとビビりだなー。｣
隆｢うっせ。｣
思いのほか楽しくて、花火はあっという間に無くなった。
｢ねえねぇ。賭けしよっか。｣
線香花火を慎重に分ける俺の横で、Aが突然そう言い出した。
隆｢いいよ。どんな賭け？｣
｢先に火の玉が落ちた方が、相手の願い事をひとつ聞く。どう？｣
隆｢のった。
昔から線香花火は得意なんだ。俺の勝ちだな。｣
｢どうかな？｣
ふたり同時に火をつけると、相手の火の玉が落ちるのを今か今かと待ち続けた。
｢………──────、｣
片方の火の玉が落ちるまで、あっという間だった気がする。
隆｢……あ、｣
静かに、俺の足元に向かって火が消えていった。
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琴羽(プロフ) - ふみさん» はい！早く書けるように頑張ります！ (2018年8月15日 20時) (
レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 続編楽しみです！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - 由希さん» 課題頑張ります笑 できるだけ早く続編書けるといいんですが…… (2018年8月15日 19時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 続編楽しみにしてます。課題頑張ってください! (2018年8月15日 18時) (レス) id: ec5f86864e (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - ゆなさん» いえいえ！大丈夫です笑 楽しんでいただけてるみたいで良かったです。更新頑張ります！ (2018年8月9日 18時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴羽
| 作成日時：2018年7月15日 10時
