・ ページ24
.
角を曲がると、誰かにぶつかってしまった。
『…っ、ごめんなさっ!!』
「あれ、Aっち?こんな所で何してんスか?」
よく知っている声に顔を上げると、黄瀬が息を切らせながら汗を流していた。さっきの男とは大違いだ。
なんだこの違い、何故かこいつがキラキラして見える。
『あんたこそ何してんの!!?』
「いや、走り込みを……」
『じゃあ走り込み再開!はい走って!!』
ちらりと後ろを覗けば、まだ追ってきていた男が目に入った。
黄瀬の手を取り一緒に駆け出す。
「なんスかなんスか!いきなり手繋いじゃて!!可愛い!きゅんときたっス!!」
『うっさいな!ちょっと黙れ!!』
走りながら「てか何で一人で外出てんスか!」と今更突っ込んできたので事情を説明すると、空いている片手で顎に手を当てて何か考え始めた。
私は走るので精一杯なのに、余裕かましてんじゃねぇこの体力おばけ!!
「……作戦があるんスけど」
.
.
路地裏に入り、行き止まりの場所に立つ。
黄瀬が隠れて後ろから捕まえるという作戦が上手くいき、ストーカーを捕まえることが出来た。
「は、離せ!通報するぞ!!」
『大丈夫です、もうしましたので。あなたを』
「どうしてだ!僕はAちゃんをずっと影で守っていただけだ!!」
「それをストーカーって言うんスよ」
私はしゃがんで、地面にうつ伏せになって黄瀬に両手を捕まれ動けなくなっている男と話す。学校の中にも無断で入っていたらしい。
顔は結構かっこいいのに中身はド変態、残念なイケメンだな。森山先輩みたい。
「なんなんだその男は!こんな奴より僕の方がいいだろ!!?」
『ははっ、あんたがこいつに勝てると思ってんだ?一回鏡見てきたら?』
「(なにそれ、きゅんときたっス……)」
黄瀬が何か言いたそうにこちらを見てきたが、この目は多分今と関係のないことを考えている目だから無視しておいた。
「Aちゃんは全てが可愛いから狙われやすいんだ。僕が守ってあげなきゃいけないんだ!!」
そう言って暴れだすストーカー。あんたに守られなくても大丈夫です。
冷静に思いながらもしっかりと引く。
「あのさぁストーカーさん、Aっちには俺一人で充分なんで。………俺の大切な人をお前なんかに渡すかクソ野郎」
『(なにそれ、きゅんときた……)』
しばらくすると警察が到着。そのまま手錠をつけられ連れていかれたのであった。
368人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春(プロフ) - らてさん» とても素敵なコメントありがとうございます!他のメンバーのお話も考えております。ご期待に応えられるか分かりませんが頑張ります!ありがとうございます!! (2023年1月24日 7時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
らて(プロフ) - とっても面白いしドキドキしました。黄瀬くんも他の黒バスメンバーももっと大好きになりました。素敵な時間をありがとうございました!!!続編や他のメンバーのお話もぜひ見たいです、無理せず頑張ってください、応援してます! (2023年1月8日 0時) (レス) @page47 id: f9f6bd1b23 (このIDを非表示/違反報告)
春(プロフ) - みかんさん» そんなこと言ってもらえるなんて嬉しいです( ¨̮ )ありがとうございます!!! (2022年6月24日 8時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 涼太大好き!!!私元々黄瀬君のこそ好きでしたけどこの作品読んでもっと好きになりました!頑張ってください! (2022年6月23日 21時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
春(プロフ) - みかんさん» わー!ありがとうございます!!涼太ぁぁ! (2022年6月22日 23時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:春 | 作成日時:2021年12月4日 22時