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ついにやってきたウィンターカップ。


私は今までとは比べ物にならないくらい緊張していた。
試合のことはもちろん、灰崎くんに嫌でも会ってしまうことも。




『すみません、ちょっとお手洗い行ってきます』

「早く戻って来い」

『はーい』




隣に座っていた監督に許可を得てからベンチを立った。

この調子じゃ試合に集中できないと思い、花を摘みには行かず頭を冷やそうとそのまま会場を出て行く。




「お前みたいのマジイラつくわ」




ふと聞こえたこの一言にぴくり、と身体が反応した。
あまり人がいる所にはいたくなくて会場の外の人が少ない方へ向かうと、先日DVDでたくさん見た彼が氷室くんに蹴りを入れているのが見える。



灰崎くんだ。


声も、喧嘩っ早いところも、中学の頃と全然変わっていない。懐かしむどころか恐怖の感情が全身に走って足が竦む。

灰崎くんが氷室くんの知り合いらしい金髪の美女の首を片手で絞めるように掴んで持ち上げる光景を見た私は、居てもたってもいられずその現場へ飛び出した。



頭を冷やしに来たのに、冷やすどころか熱くて膨張しちゃうよ。




『……その手、離してよ』


「…よォ、Aじゃねェか。久しぶりだなァ」

「A!!?」




私の突然の登場に、氷室くんが驚いたように声を上げる。

金髪美女の首を掴んでいる灰崎くんの腕を掴んで力を込めるが、びくともしない。



正直言って、かなり怖い。

ほんと、なんで飛び出してきたんだろう。
人を呼んだりすれば良かった。なんて後悔しても無駄だ、私が今できることを。




『選手が人殴んな』


「……本当は俺が怖いのに強がる。変わってねェな、お前」




首を掴んでいた手を離して金髪美女を落とすと、今度は私に近寄り胸ぐらを掴んで簡単に持ち上げる。



そうだよ、怖いよ。
本当は今すぐにでも逃げ出したい。


何とか抵抗しようと両足をバタバタさせると、灰崎くんはそのまま強引に唇を押し付けてこようとした。

が、唇と唇が合わさる直前に彼の口に手を置いて防御を作る。




『………やめて』


「あ?あの時みたいに甘い声で“灰崎くん”って呼んでくれねェのかァ?」

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設定タグ:黒子のバスケ , 黄瀬涼太 , 海常高校   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 文スト黒バス東リベ推しさん» コメントありがとうございます!13の続きで帝光中学校時代の話なので、赤司ですね。 (2022年6月29日 8時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
文スト黒バス東リベ推し - 14の黄瀬が赤司っちに言っておくからみたいな台詞あるけど赤司じゃなくて笠松とかじゃないですか? (2022年6月27日 17時) (レス) @page16 id: 89b4ed43fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年6月18日 20時

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