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車に積んであった荷物を持って入ると、すごく立派な昔ながらの日本家屋だった。


奥から暖房つけますねーと聞こえてくるから、靴を脱いでスリッパを履いて上がる。


「すごく立派な家だね。なんかリフォームもったいないくらい」


『そうなんですよ。なので、なるべくこの雰囲気を壊さずに、防犯とか災害のために2階を作りつつって感じにしたくて。祖父の身体上の理由でここに戻ってくることは難しいかも知れませんけど、戻って来られるの想定して1階で全て事足りて、バリアフリーにしました。まぁ自分もいずれどうなるかわかりませんし』


なんて言いながらこたつと、慣れた手つきで石油ストーブをつけてくれた。


「そっか。優しいね」


『んー、優しいというか……寂しいだけかも知れません。この家の面影がなくなるのが。作りましょうか。身体が冷えますー』


「うん」


『あ、台所までは温かくなるの時間かかりますから、潤は座っててください。私やります』


「え、いいよ。2人でやろ?」


『ふふ、はい』


材料はもう切らなくて良いから、鍋に調味料と材料を入れて煮る。


こんなもんかなぁなんて、味見しあってから


Aちゃんは、その間にお皿や箸を用意してくれていて


大したことしてないのに、なんか新婚みたいな雰囲気で、ちょっとニヤニヤしちゃう。


『潤、寒いからこたつ入ろ!あったかくなってるよ!』


「うん!」


『んー、寒い!』


「こたつ良いけど、昔の家って寒くない?」


『寒い!(笑)だからリフォームするんですよ。都内と違って自然が多いところだから余計に寒いです』


「あー、そうかもねぇ」


テレビを隣同士に座って、のんびり観ながら鍋が出来るのを待つ。


こたつの中で、時々Aちゃんの足が当たる……


というか、わざと当ててくるから(笑)


俺もやり返して遊ぶ。


「ここ、くすぐったい?」


『やぁ!うん、足の裏こちょこちょするの反則ー!』


「何でよ(笑)」


『ツンツンするだけ!』


「そんなん決まってないでしょ?」


『くすぐられるの弱いのぉ!……あ、お鍋吹きそう!』


危ない危ないって、バタバタと出て、鍋の様子を見てくれた。


本当にさ、申し訳ないけど、寒すぎてこたつから出られない。


俺、寒いの苦手なんだよねぇ。


こりゃ、ここでそういうことは寒すぎて無理かもしれない……(笑)


『みてー!おいしそー』


「お、本当だ!食べよ食べよ!」

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作者名: | 作成日時:2020年12月16日 14時

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