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教科書見せてもらったけど、難しすぎて分かんなかった(笑)
『おかえりなさい』
「ただいま。じゃあAちゃんもどうぞ」
『ありがとうございます!』
本当はAちゃんに先に浴びて欲しいんだけど
そうすると、浴室にAちゃんの匂いがこもって、俺のが昂奮しちゃうから(笑)
初めて来た時は、Aちゃんを先に入れさせたんだけどね。
そしたら俺のが全然おさまんなくて、Aちゃんに正直に言って、変わってもらった。
めちゃくちゃ情けない……。
じゃあ、Aちゃんを後にしたら解決したのかと言われると
お風呂上がりのAちゃんの匂いはもちろん
うなじとか、火照ってピンク色の肌とか見たらドキドキするし
結局一緒のベッドで寝るから、そこで当たり前に昂奮するしで
根本の解決には至ってないけど、仕方ないよね。
だって好きな子が隣に無防備な格好とかでいたらするじゃん、男だから。
『潤さん、ありがとうございました!』
「ん。お水飲んでねー」
『はぁい』
俺んちのウォーターサーバーから慣れた手つきで水を飲む。
最低限の食器も置いてあるから、ちょっと同棲気分。
その後は、いつも決まって俺はソファーでテレビや動画観たり、スマホを弄って
Aちゃんは、ソファーの前のローテーブルで勉強の続き。
『はぁ、終わったぁ』
「お疲れ様。大変だね、いつも」
『成績落とせないから。学費免除対象者にならないと。なるべく伯父には迷惑かけたくないんで』
「偉いね?ジョーさん?だっけ」
『ふふ、そう。ジョージのジョー』
「ジョージさん。優しそうな伯父さんだよね」
俺がそう言うと、教科書を片付けながら、そうなのと笑う横顔が可愛らしい。
『優しいよ。でも時々私を可哀想な目で見るからちょっと嫌なの。別に両親がいないだけで何にも可哀想じゃないのに』
そっか……って相槌を打ったけど、多分俺も無意識に見ちゃってると思う。
だって時々いっぱいいっぱいになっちゃってるのか
休憩中、目の光がなくなるくらい、ぼーっとしてることがある。
家のこととか、おじいさんのこととか、学校のこととか……。
絶対大変なのに、弱音を一切吐かないのも気になるし
だから俺は、Aちゃんの本当の気持ちの奥底までは
まだ踏み入らせてもらえていないんだろうなぁって。
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作者名:鈴 | 作成日時:2020年12月16日 14時