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「いい、いい。バレンタインにAちゃんからケーキもらえて、で、店のケーキも試作してくれて。ますますお客さん増えちゃうなー!」


『良いことです(笑)』


「ガトーショコラ美味しかったぁ!ごちそうさま!」


あーあ、すぐなくなっちゃった。


また作ってもらお。


『お粗末様でしたぁ。上手に煮えた。冷ましてる間にスポンジを焼く!』


食べ終わってしまった俺は、Aちゃんの横で料理の下拵えの続きをしながら、たわいもない会話をする。


和「え、めっちゃいい匂いするー。なに、ケーキ焼いてんの?」


『いらっしゃいませ。そうなんですー。潤さんに言われて』


にのがいつも通りパジャマみたいな格好で、うぃーすって言いながら入ってきて


カウンターに座って、身体を前のめりにして覗いてくる。


和「Aちゃん、ケーキ作れるの?」


『趣味ですけど。さっきお店に出したいって言われたので、試作中です。良かったら二宮さんも食べます?』


和「食べる食べる!うわー!いいバレンタイン!」


「お前、狙ってきたんだろ」


和「うるせー!いいだろうが!幸せ分けろ!リア充カップルめ!」


ワンチャン自分ももらえると思って来てるのが、分かりすぎるから鬱陶しい。


怒りながら言われる前に、いつものコーヒーを出してやる。


和「何ケーキ?」


『アップルパイとイチゴのロールケーキです』


和「最高じゃん」


眉間に皺を寄せながら、コーヒーうめぇって呟くけど


砂糖とミルクをいつもより多めに入れて飲む時は、かなり疲れてる証拠。


何時間もぶっ通しだったのかもな。


『二宮さんは何ケーキが好きですか?』


和「誕生日ケーキ(笑)」


『へぇ。特別だから?』


和「そう。でも何でも好きよ。Aちゃんが作ってくれるならね」


『ぅわー、プレッシャーだなぁ……(笑)』


にのの話しに適当に相槌を打って、ケーキを作り続けてる。


だいぶにのをあしらうの上手くなったなぁ(笑)


和『あーあ。二宮さんにもAちゃんみたいな彼女欲しい』


多分ここにくる時間すら勿体無い時があるから


彼女というより、家政婦みたいなのを雇った方がいいと思うんだけど。


「そのうち見つかりますよ、二宮さんな
ら」


和「えー。出会いがまずない。あ、そうだ。たまに二宮さんの彼女にならない?(笑)レンタル彼女になってよ」


「絶対ダメ!」
『嫌です(笑)』

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作者名: | 作成日時:2020年12月16日 14時

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