80 ページ30
「いい、いい。バレンタインにAちゃんからケーキもらえて、で、店のケーキも試作してくれて。ますますお客さん増えちゃうなー!」
『良いことです(笑)』
「ガトーショコラ美味しかったぁ!ごちそうさま!」
あーあ、すぐなくなっちゃった。
また作ってもらお。
『お粗末様でしたぁ。上手に煮えた。冷ましてる間にスポンジを焼く!』
食べ終わってしまった俺は、Aちゃんの横で料理の下拵えの続きをしながら、たわいもない会話をする。
和「え、めっちゃいい匂いするー。なに、ケーキ焼いてんの?」
『いらっしゃいませ。そうなんですー。潤さんに言われて』
にのがいつも通りパジャマみたいな格好で、うぃーすって言いながら入ってきて
カウンターに座って、身体を前のめりにして覗いてくる。
和「Aちゃん、ケーキ作れるの?」
『趣味ですけど。さっきお店に出したいって言われたので、試作中です。良かったら二宮さんも食べます?』
和「食べる食べる!うわー!いいバレンタイン!」
「お前、狙ってきたんだろ」
和「うるせー!いいだろうが!幸せ分けろ!リア充カップルめ!」
ワンチャン自分ももらえると思って来てるのが、分かりすぎるから鬱陶しい。
怒りながら言われる前に、いつものコーヒーを出してやる。
和「何ケーキ?」
『アップルパイとイチゴのロールケーキです』
和「最高じゃん」
眉間に皺を寄せながら、コーヒーうめぇって呟くけど
砂糖とミルクをいつもより多めに入れて飲む時は、かなり疲れてる証拠。
何時間もぶっ通しだったのかもな。
『二宮さんは何ケーキが好きですか?』
和「誕生日ケーキ(笑)」
『へぇ。特別だから?』
和「そう。でも何でも好きよ。Aちゃんが作ってくれるならね」
『ぅわー、プレッシャーだなぁ……(笑)』
にのの話しに適当に相槌を打って、ケーキを作り続けてる。
だいぶにのをあしらうの上手くなったなぁ(笑)
和『あーあ。二宮さんにもAちゃんみたいな彼女欲しい』
多分ここにくる時間すら勿体無い時があるから
彼女というより、家政婦みたいなのを雇った方がいいと思うんだけど。
「そのうち見つかりますよ、二宮さんな
ら」
和「えー。出会いがまずない。あ、そうだ。たまに二宮さんの彼女にならない?(笑)レンタル彼女になってよ」
「絶対ダメ!」
『嫌です(笑)』
391人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴 | 作成日時:2020年12月16日 14時