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『ううん。潤が……潤のことが大好きだなぁって思ったの』


「ふふ、俺も。大好きだよ」


『うん……』


私がそう言うと、目尻を下げて、優しすぎる笑顔で温かな手が頭を撫でてくれるのに


……不安で仕方なくなる。


大人な彼氏に、こんな子どもの私で良いのかって。


優しいから良いよって言ってくれるのがわかるから、余計に不安。


付き合ってから、まともにデートも出来てないし。


潤が忙しいのが分かるから、したいなんて言えなくて


寮に送ってくれる道中だけしか、2人きりになれる空間がないのって、友達のサヤちゃんに言ったら


釣った魚に餌あげないタイプだ(笑)
歳も離れてるし、年上ってそんなもんなんじゃないの?
言わなくても分かってるだろみたいなさ。
それに若い子連れてる俺、良いだろみたいな!


って言われてから、それからずっとそうなのかなって思っちゃって……。


胸がギューってなって痛くて、不安で、泣きたくなっちゃう。


早く、大人になりたい……


潤に相応しい彼女になりたい……


自立した女性になりたい……


もっと、素敵な人になりたい……


この関係が不安にならないくらい強くなりたい……


早く、早く、早く。









彼女が一生懸命働いてくれている姿を見るのが好きだ。


付き合ってから一度もデートをしてあげられないまま、クリスマスがすぐそこまできていて


店内のクリスマスツリーに飾り付けしてくれたから


照明に当たって、飾りが煌めいている。


すっかり店内もクリスマスモード。


「今日もうお客さん来なさそうだから、閉めちゃおうか」


『はい』


いつもよりずっと早い時間だけど、俺がそう言うと


ふわりと笑って、掃除に取り掛かってくれて


テーブルを拭きながら、楽しそうにクリスマスソングを口ずさんでいる。


「ねぇ、今日この後、時間ある?」


『ありますけど……どうかされました?』


「いや。デートしない?付き合ってからまともにデート出来てないし。それに今日は寮じゃなくて、おじいちゃんちに帰るから門限ないでしょ?」


店は明日休みで、Aちゃんの講義が休講になって、学校休みになっちゃったからね。


やっとちゃんとしたデートのお誘い。


『わぁ!行きたい!』


「イルミネーション見に行こうよ。約束してたし。で、鍋しない?」


『したい!寒いからお鍋美味しいですよねー!』


早く掃除終わらせよ!ってめちゃくちゃ嬉しそう。


だから俺も片付けを急いだ。

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作者名: | 作成日時:2020年12月16日 14時

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