お嬢といっしょ【ars/K.N】 (ページ6)

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でも受かったということは、それなりにこれからは勉強を頑張らないといけないわけで

そしたらこんな風にしょっちゅうは、お嬢の遊び相手にはなれないだろうな。

寂しがるかなぁ、お嬢。

一応エスカレーター式の高校にしたから、大学受験はないんだけどさ。

、

俺は高校二年になって、お嬢はピカピカの一年生。

小さな身体に、大きなランドセルがまだ不釣り合いで、背負われてる感が否めないけど

またそれが可愛らしくて。

『かずー！みて！可愛いでしょ！おじいちゃんが買ってくれたー！』

「よくお似合いです」

『学校楽しみ！かずと一緒～！』

「ふふ、はい」

『学校ねー、勉強頑張る！で、かずと一緒の学校に行くの！』

「お嬢なら大丈夫ですね」

『うん！』

なんだかんだ部活に入るのが面倒で、友達と遊ばない日はここに来て勉強する日々を続けていた。

家よりここのが学校から近いのもあるけど

反抗期真っ只中の俺はこっちの空間のが穏やかでいられるから良い。

『みて！かず！算数のテスト、100点！』

「すごいですねぇ。花丸です！」

『頭いいでしょ？(笑)』

「天才です！」

『んっふふ』

ランドセルから、嬉しそうに俺に見せびらかしてくる。

こうやって邪魔されるのは変わりないけど、俺の隣で学校の宿題をするお嬢。

二人で並んで宿題をして、一日あったことを話すのが、俺たちの日課。

「お友達は出来ましたか？」

『んー。出来ない』

「あら。お嬢は元気なのでお友達はすぐ出来ると思ってました」

『あのね、ドキドキしちゃって、お友達になろ？って言えなくてね。でも話しかけてくれる子はいるよ！けど名前が分かんないの』

「クラスメイトはいっぱいいますからねぇ」

『かずは？お友達いる？』

「いますよ。明日は友達と学校帰りに遊びに行く約束をしたので、ここには来れません」

『えー！Aも行く！』

「んふふ、ダメです。若頭に怒られてしまいますよ」

『んっ！じゃあ明日行くとこ、大きくなったら連れてってね？』

「はい(笑)」

お嬢が大きくなるまでいたいけど……

俺はこの先どうしたいのか

どんな仕事をしたいのか

今はまだ何も見つけられないなー。

何気ないこの日常を手放すのも寂しいし

かと言って、この組には入れてもらえなさそうだし。

どうしようかな。