芸能界でもファンの間でも有名なオタクの物語 (ページ4)

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YOU ページ4

樹に、宥められて数分だいぶ落ち着いてきた。
そういえば、前はもっとこんな事あったなとか
樹や樹の家族のことを思い出す。

私が、親戚の家に行ってろくにご飯も食べられなかったところを保護してくれたあつこママ。
優しく接してくれたお兄ちゃん達。
でも、人を信用出来なかった私は、
心を閉ざしたままだった。

そんな中おきた、１つの事件。
樹が学校でも優しくしてくれてたから、
他の女子から反感を買い、またその女子に協力した男子に体育倉庫でヤラれそうになった。

抵抗しても、男子に勝てるわけもなく、
ただただ、泣いて、息がしづらくなっていくだけだった。

もう、ダメだ。
そう思った時、汗だくの樹が助けに来てくれた。

「おい！！
何してんだよ。」

女「何で、樹君が、、、、」

『ハァハァハァハァハァハァた、たす、、けて、ハァハァハァ」

「A！」

「俺の大事な妹に何してくれてんだよ！怒」

男「お前の妹じゃないだろ笑」

『ハァハァハァ』

「とりあえず、その汚い手でAに触んな」

女「なんで、いつもその子ばかり構うのよ！」

「、、、俺の妹だから。」

女「血、繋がってないじゃない！」

「誰がなんと言おうと、Aは俺の大事な妹だ。」

過呼吸で、しんどかった私の耳に、その言葉だけは鮮明に聞こえて、私の心を落ち着かせるには、十分だった。

両親が借金を肩がわりしてから、ずっと暗闇の中にいた私に希望の光を与えてくれた。
そこから、私は、樹の家族に少しずつ心を開いていき、本当の兄妹みたいに、なった。

しばらくのあいだ、ストレスが原因で耳が聞こえなくなったり過呼吸で病院に運ばれたり、
入院したりする時にも、当たり前のようにずっと隣にいてくれた樹。
今回もそう。
辛い時には、必ずそばにいてくれる。
樹がいれば大丈夫。
なぜか、そんな気持ちになる。