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四十二 ページ12

本当に速いものを見たことはあるか



いや、この言葉がおかしいのかもしれない





本当に速いものは見えない


見えないだけではなく、その存在さえも認識できないまま、まるで時が止まったかのような錯覚をしてしまうほど






目の前の女は速かった






「ッッッ.......は??」





傑が開始の合図をした直後何をした?


空気さえも遅れて肌にあたる感覚がする






「一本」




そういって地面に付した俺の上で、にやりと笑みを浮かべた彼女に思わず胸が高鳴る






「すごいな」



さっと身を引いたAに苦笑いをしながら傑がいう




「何も見えなかった?」

「あぁ」

「そりゃそうだよ、見ようとしてないもん」





いや、見ようとするとかしないとかの問題じゃねぇんだわ






「まじで術式使ってねぇのか?」

「まじだよ?だってルールじゃん」





バケモンだろ....






「近接で一番しちゃいけないのが手を抜くこと」




もっかいする?




そうにこりと微笑みかけられ、今までにない気持ちが湧き上がる






悔しい





昔から花よ花よと育てられてきた俺だが、稽古だけは一丁前につけてもらっていた




だが、俺が強かったのか相手が手を抜いていたのか、ここまで完敗させられることは無かった







だから初めての感情なのか




悔しい、胸がざわつき、もやもやする




口には出すことの出来ないこの気持ち





「くそッ.....もっかいだ」




そういって立ち上がる





「いつでもいいよ」


そういって手をちょいちょいと曲げて煽ってくるA





ちゃんとみる...




見ようとしてないってどういう意味だ、なんのための六眼だ...



相手がどこから来るか



見極め.....てッッッ!!






「....ッッぶねえ!!!!」



刹那、瞬きもしないうちに距離を詰めてきたAの拳が横顔をかすめる




「ははッッ.....」



まじで殺す気じゃねぇか





殺る気満々な殺気立った目で....




待て、こいつ




瞬き、してなくないか????





「は......うおぉ!?!?」




ドサッ





「考え事とか随分と余裕だね」

「ってぇ....」



再び背中から叩きつけられたジンジンと痛み始める




「一本」




傑が静かに一言




「悟って相手のすきをつこうとしてるでしょ」

「それが普通なんじゃねぇの?」

「違うよ、だって私は相手に隙を作るように誘導する戦い方だから」

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作者名:ホウ酸 | 作成日時:2020年12月27日 17時

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