序章 ページ1
肌に感じるそよ風が痛い
まぶたは鉛のように重く、全身を砕かれたかのような激痛も、今ではもう慣れてしまった
呼吸をする度に内蔵に骨が刺さる感覚がする
かろうじて息をつなごうとするが、口から出るのはヒューヒューといった笛のような音のみ
さゆりさんは?
どうなった
だめだ、目の前がぼやけて
何も見えない
何してたっけ、私
ここはどこだっけ
今、どういう状態....???
脳は全く働かず、右目は燃えるように、やけるように熱て、痛くて
叫び出したかったけど、そんな力もなくて
だからだらんと力を抜いてそこに横たわることしか出来なかった
忘れたい
忘れてしまいたい
この体が燃えるような痛みも、叫び出したくなるような苦しみも、何かを失ってしまったような喪失感も
全て、全て
「......わす....れ...........ろ」
口から自然にでた言葉は果たして、願望か
それとも、"呪い"か
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作者名:ホウ酸 | 作成日時:2020年12月27日 17時