身長が低くても！！マフィアでも！！愛すべし！！！！2【中原中也】 (ページ29)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:101,255 hit

推し62 ページ29

「報告書を見たよ、どういう事か説明してくれるかな？？」

ゆらゆらと揺らめくキャンドルの光で怪しく照らされた森さんの顔をここからはっきりと見ることは出来なかったが、暗闇の中からでもわかるくらいに鋭い目をしているであろうという予想は

私の足りない頭でもつくことができた

「先日、組合の刺客と一戦交えましたがその時にいままで覚えていたこの世界のあらすじが分からなくなりました」

「思い出せないという事かね？」

「正確には消えかけている…のほうが正しいと思います」

「なるほど？それで…？？」

森さんの声の重みが変わった

「君がマフィアに入る時の取引条件はこの”予知”があることを前提としている、では今は？」

森さんが腕を組み直す

「”予知”のない君は今まで通りに作戦を立てられまい、それに今まで意図的に原作を変えない様にしてきたが、これからは君というこの世界の異端者によりあらすじは大幅にずれるだろう

どうするつもりなのかね…？」

考えた、”予知”のない私がこの世界で、この社会で生きれる術を

だが私は太宰さんに言われた通りで、少々回りくどいのかもしれない

「どうするもなにもありませんよ…」

キャンドルの陰に隠れた森さんの目をはっきり見据える

「私は、中也ちゃんに拾われ、中也ちゃんと共にこのポートマフィアに忠誠を誓いました

ポートマフィアにいる時点で部下の処分等の権限は全て森さん、貴方の手にあります、ポートマフィアの駒であり、貴方の部下である私が用済みになった場合、最終的にどうするかを決めるのは森さんです

喜んで、どんな処罰でも受けましょう」

怖い

殺されてしまうかもしれない

もう中也ちゃんたちにあえないかもしれない

だけど、今私の命は目の前のこの男の手の中にあり恐ろしいほど安い

あがくまでもない、所詮は負け犬の遠吠えだ

「フフッ…」

森さんは愉快そうに笑った

「君が…太宰君に似ているという話を昔したのを覚えているかね？」

「はい…」

「撤回するよ、全く似ていないね…君の方がよほど大人だったようだ」

なにを言っているのだろう

このような事に関しては絶対に太宰さんの方が大人で何枚も上なはずなのに

「まぁ、結論から言うと別に私は君を処分するつもりはなかったのだよ？？」

「…え？」

「最初言ったじゃないか、君の初任務の時にちょっとした試験だって」

森さんはそういってとても楽しそうに笑った