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私は、救命医の両親の元に産まれた。
保育園に入る前はお母さんが家にいましたが、入ってからは保育園と病院で過ごす事が多くなった。
通っていた保育園で耕ちゃんと出会った。
耕ちゃんの仏頂面はこの時からで友達は私以外にいなかった。
かくゆう私も耕ちゃん以外の友達はいなかった。
小学生になってからは学童なんてものはなく、家で留守番をしていた。
そんなときに耕ちゃんのおばあちゃんがよく家に招いてくれ、三人でご飯を食べたこともあったし、二人が夜勤の時はお泊まりもさせてもらった。
寂しくなんかなかった。
お母さんとお父さんと一緒にいれなかった事は寂しかった。
でも、私は二人が誇らしかったし、憧れでもあった。
『私も…二人みたいな医者になりたい。』
いつかそう思うようになった。
だから勉強を頑張れた。
嫌いな病院での検査も頑張れた。
でも、夏は嫌いだった。
朝と夜の気温差が激しい夏はお母さんとお父さんの病院に入院しなくてはいけなかった。
夏休みの日記なんて…病院の事しか書けなかった。
だから私は…花火も、お祭りも知らなかった。
そんな…ある夏の事だった。
耕ちゃんとおばあちゃんがお見舞いに来てくれた。
看護師さんとお母さんとお父さんに許可を取って五人で屋上に行った。
そして…花火をした。
煙は喘息に良くないからほんの少しの線香花火だった。
初めて花火を見た。
嬉しかった。
「早く、退院しろよ。そして、花火大会、行こう。」
今でもあの時の照れていた耕ちゃんを覚えている。
その夏を境に私の体調はどんどん安定するようになった。
6年生の夏は夏祭りにも行けた。
自分で出来る事が増え、自信が湧いた。
何もかもが上手くいっていた気がした。
中学生の夏、私は東京に家族旅行に行った。
旅行なんて初めてだった。
この夏は初めて入院しなかった。
初めてが沢山で私はわくわくしていた。
私は…幸せだった。
でも…私はこの幸せに終わりが来るなんて考えてもいなかった。
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本ニャン(プロフ) - シロップさん» 物語の中身としてはあまり気にせず思いきって書くことがポイントです!気にしすぎるとかえって書きたい事が書けませんからね。あとは他の作品を読んでいいと思った事はどんどん真似しましょう!たくさん書くことが一番良いです!参考にしてもらえたら嬉しいです(*^^*)っ (2018年7月14日 18時) (レス) id: 5208eaeae5 (このIDを非表示/違反報告)
シロップ(プロフ) - 本ニャンさん» 作品を書く時のコツとポイントを教えてくださいませんか? (2018年7月14日 8時) (レス) id: a9e4616003 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - ルビーさん» はい!何時でもコメントしてくださいね!応援してます! (2018年6月15日 23時) (レス) id: 5208eaeae5 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー(プロフ) - いえ!またアドバイスしてもらってもよろしいでしょうか? (2018年6月15日 23時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - ルビーさん» そう簡単な事ではないですが、勇気を出すことも大切だと思います!違反を受けてしまった場合は素直に削除するしかありませんけどね。この拙い言葉でルビーさんが勇気を出してくれれば私は嬉しいです!生意気ですみませんm(__)m (2018年6月15日 22時) (レス) id: 5208eaeae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:本ニャン | 作成日時:2018年5月11日 7時