11.騙されてみたい ページ11
治が出て行ったあと、
青い空をぼんやりと見つめながら
週末の出来事を思い出す。
『私って自分勝手……』
「うんうん、せやなあ」
『…………え？えぇっ！？？』
そこには居るはずのない侑くんが居て、
体から変な汗が出てくる。
『えーっと、いつから聞いてました？』
様子を伺うように聞くと、
侑くんは何やらニコニコしている。
「結構前から聞いとったって言うたら？」
……やばい。
この人私たちの事後だけじゃなくて、
ほぼ修羅場みたいな場面も見たってこと？
しかも侑くん関連で気まづくなったし、
どうしよう、言い訳出てこない、、。
「ぶっ、ははっ、、あーーもうあかん堪えれん」
吹き出して笑い出す侑くんに
ますます頭がこんがらがる。
「何心配しとるか知らんけど、
Aちゃんが感傷に浸ってる部分しか聞いてへんで」
『ちょっと、せめて一人言にしてくれません？？』
笑いを堪えながら言う侑くんに
少しだけ胸を撫で下ろす。
「Aちゃんほんまおもろいわ」
『もうつまらない嘘、つかないで下さいね』
はいはい、と適当な返事をして
隣に腰を下ろしてくると、
私の顔を無言で見つめてくる。
『……なんか顔に付いてます？』
「いや？サムの彼女やなかったら貰うたのにーって思て」
そんな言葉を投げかけられた私は
一瞬で頭が真っ白になった。
心臓の鼓動がどんどん早くなる。
『……さっきつまらない嘘つかないって、』
顔に熱がこもるような感覚に
私の今の顔はきっと真っ赤なんだろう、
そんなことを考えていた。
「さあ？どうやろな」
その一言だけ残して、
屋上からの景色に視線を移す侑くん。
色んな考えが巡る中で、
(私も好き)
そんな言葉が口から出ようとしていた時、
勢いよく開けられた屋上入り口の扉の音に
二人の肩が跳ねた。
「侑ーー！また女子から呼び出されてんでーって…」
バレー部の銀島結くんだ。
気まづそうに私と侑くんを交互に見比べる。
「…あれ？なんか俺、見たらいかんもん見た？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜行生物31号(プロフ) - もちふわぱんさん» もちふわぱんさんコメント有難うございます😳❤️楽しく読んで頂けたこと本当に嬉しいです！次の作品も待っていて下さい💪 (2月26日 11時) (
レス) id: f3e03ec248 (このIDを非表示/違反報告)
もちふわぱん(プロフ) - 初コメ失礼します!!初作品と思えないほど最後まで楽しく読ませて頂きました!!次回作も楽しみにしています✨ (2月26日 11時) (レス) id: 1af9f1fe5d (このIDを非表示/違反報告)
夜行生物31号(プロフ) - ひさめさん» ひさめさん嬉しいお言葉有難うございます🥲❤️まだまだな未熟者ですが頑張ってこの作品を育てたいと思います🌱 (1月23日 21時) (レス) id: f3e03ec248 (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ(プロフ) - わわ！どタイプすぎる作品！私も作品描いてるんですけどあまり納得いかなくて💦すごい好きです！応援してます！ (1月23日 20時) (レス) @page3 id: c715c6d477 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜行生物31号 | 作成日時：2025年1月23日 1時
