TH × JK 【短編】 (ページ21)

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【第11弾】もし彼女さんが事故に遭ったらテヒョンは？ページ21

THside.

ｶﾞﾗｯ

TH「…A？おはよ～。」ﾆｺｯ

白いベッドの上で、どこかのプリンセスのように美しく眠る彼女。

その姿を見たのは、一体何度目だろう。

TH「A、今日ジミニがね、Aちゃんにってお花…というか葉っぱを買ってきてくれたんだ。ジミンはまだ仕事があって来れなかったけどね。笑」

眠る彼女の前に1束ほどの葉を差し出す。

TH「これね？バラの葉なんだって。バラの葉は“頑張れ”っていう意味があるらしいよ、知ってた？」

葉っぱにも意味があるんだ、初めて知ったよジミナ。

Aの綺麗な寝顔を眺めていると、あの日の出来事が脳裏に蘇る。

その日、Aは自宅に帰るためいつもの帰路を歩いていたらそのA目掛けて車が突っ込んだらしい。

幸い命を落とすまでには至らなかったけど、医師からは“何年間も目を覚まさず、覚ましても植物状態になる可能性があります。”と告げられた。

ショックだった。Aをこんな目に遭わせた奴を殴ってやりたい。一生憎んでやりたい。

…でも俺も悪いんだ。Aが事故にあった時間帯は夜中で、俺もその日は家にいた。迎えに行くと連絡したが、Aは大丈夫と断った。俺はそれをすんなり受け入れてしまったけど、今思うと何で迎えに行かなかったのか後悔が残った。

あの日俺が迎えに行っていたらと…いつも考えてしまう。

TH「…A…っ、、ごめ…ごめんね…。」

大粒の涙が俺の頬を伝って、握ったAの手の甲に落ちた。何粒も何粒も。

また前みたいに声が聞きたい、笑顔が見たい。Aの全てが愛おしくて力いっぱい手を握った。

TH「っ…A…。」

…ｷﾞｭｯ…

TH「…？」

…微かだけど、Aが手を握り返してくれたような気がした。

気のせいかと思いまた手を握ってみると、今度は指が動くのを目でしっかり捉えた。

TH「っ！A！わかる？聞こえるの？」

「……テ、、ヒョ…」

TH「…っ！A！」

薄らと目を開け、Aの視線が俺を捉えた。

すぐさまナースコールを押し、医師が来るまで待つ。

TH「Aっ、わかるんだよね？」

「テヒョン…何で、泣いてるの。」

そう言って微笑んだ彼女。

その瞬間、俺の心にあった空洞が満タンに満たされたような気がした。

fin.