尾行してたら秒で疑われたから適当に誤魔化したけど全然バレなかった俺の話する？【名探偵コナン】

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ぐしゃりと己の髪を乱暴にかきあげ、愛車の背もたれに身体を預ける。

「ふぅ…」

ここ数日、トリプルフェイスのどれで活動していてもとある人間に付きまとわれている。

すれ違ったりふと大衆の中で見かけたり、その程度だから初めこそただの偶然としていた。

だが連日続き、日に何度もとなるとそうはいかない。そこには確かな『意図』が含まれている。

どういった目的かは分からない。組織でこちらに疑いの目を向けている人物…それこそジンのような、そんな輩からの嫌がらせかと今のところは推理している。

安室とバーボンだけなら大したことはないが、残る1つまで突き止められていたとしたら笑えない。

念の為公安としての活動は控えていたが全くしていないわけではないし、現に1度風見といる時に出くわしてしまっている。

他人のフリはしていたがどうだろうか。まだ組織やジンの動きに異変はないから正体に気づいている線は薄いとも考えられるけれど。

出来るだけ早く接触したかったのだが、どうやら相手は相当なプロらしく気がつけば見失っていた。

そこまでの技量ならさぞ裏社会でも名が通っているだろうと情報を集めてみるも全くつかめず、現れるタイミングも読めない。

苦心してやっと接触できた犯人だったが、何かオーラというかそういうものが全く見受けられないと思っていたら。

「まさか双子だったとは……」

どうりで裏社会の人間特有の空気が無いわけだ。

それに思い返してみれば確かに、奴は首の後ろが隠れるような服ばかりだった。

…絶対に逃がさない。

時間をかけて挑発を繰り返しているところを見るとまだ余裕はありそうだ。

いかに狡猾だろうが、捕まえて何もかも吐かせてやる…。

すっと背筋を伸ばしてエンジンを入れた。

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