尾行してたら秒で疑われたから適当に誤魔化したけど全然バレなかった俺の話する？【名探偵コナン】

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安室と名乗ったその金髪の男は何度も謝罪してきた。

全然ダイジョウブデスと返していると安室さんはほっとしたように笑いながら言った。

「もし良ければ、そのご兄弟に会わせていただけませんか？」

おっと…それはキッツいぞ…。

「あー、あのですね…実は双子の兄は大分前に家出して音信不通でして…風の噂だと名前も変えただとかなんとか…？」

目をそらして早口で言ったが自分でもよく分かる。なんだその中高生の頃に考えたような設定は。

家出って。音信不通に改名って。いかにも辛い過去持ちのキャラクターっぽい。

学生時代の俺が大好きなタイプ。だから今言ってんじゃねえってこのバァカ。

やらかした、絶対バレた今のはバレた流石にバレ

「そ、そうだったんですか…すみません、言いづらいことを…」

てなかった！ラッキー！

「では、何かあなたとお兄さんを見分ける方法とかありませんかね…このままではまた間違えてご迷惑をかけそうですし…」

安室さんは申し訳なさそうに言う。

そしてこの口はまた適当なことを言う。

「首の後ろに傷痕があったら兄！無かったら俺です！」

意気揚々と発した直後に青ざめる。

そんな場所にそうそう傷痕なんてあるものか、どれだけ自分の趣味に走るんだ俺の口は……。

これではあまりに怪しすぎる、折角信じてもらえてる双子ということすらも疑われ

「そうなんですか！ありがとうございました、では！」

なかった！！すげえ！！

安室さんは爽やかな香りと笑顔を残して去っていった。

何か様々な誤解と誤情報を与えてしまった気がするが、どうせもう会うことはない。

家出して音信不通になって改名もしている首の後ろに傷痕のある架空の双子の兄はなおさらそんな機会があるはずもない。

その内忘れてくれるだろう。

自分似の誰かさんが安室さんに何をしたか知らないが、3つがどうとか何度も現れたとか言っていたしストーカーだろうか。

顔がいい人は大変だ。平凡な顔もこうしてよく間違えられるから大変といえば大変だけど。

さて、会社の帰宅途中に呼び止められたのでもう空腹感がすごい。

さっさと帰ろう。

そして不運なことにさっさと帰ったAは飼っている愛猫に愛の爪をたてられ、首の後ろを怪我してしまったのだがそれは今は関係のない話。

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