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嘘発見法の弱点というのは、相手がそれを嘘だと思っていなければ発見できないところにあると思う。
確かにAの言ったことは嘘ではない、ただし勘違いではある。
すれ違いとはこうして生まれていく。
「証拠も何も……ご自身の目で見たでしょう。ご安心を、言いふらしたりなんてしませんよ」
悪の組織っぽい人でも、経済面が厳しかったりするのだろう。
きっと足りない生活費とかを補うためにあそこでバイトをしてるんだ……。
かつての俺のイメージでは悪い組織に属していれば儲かりまくりだったけど、やっぱり現実は甘くない。
Aは少しバーボンに親近感が湧いた。
「……何を掴んだか知りませんが、はったりではなく本当に知っていると示せますか。出来ないなら今すぐ両足がお釈迦になるのみですけど」
いや親近感とかないな一瞬で吹き飛んだよ怖いこの人!
何故そうすぐに足を壊そうとしてくるのか。怖すぎる。
「ええと、そうですね……」
思い出せポアロの情報。俺にあの店と梓さんの存在を教えてくれたカフェ好きの田中さんは最近なんと言っていた。
今一度教えてください記憶の中の田中さん。
記憶の中の田中さん、略して憶中さんは確か言っていた。
『今度ポアロでセロリ料理がメニューに加わるって噂流れてたよ』
「あ、セロ…」
『まあ誤情報だったけどね』
リはダメだ。セロリは違うんだった。
何か他なかったかな憶中さん。
『あの店の常連のおばあさんと仲良くなったんだけど、今ぬるま湯半身浴にハマってるんだって。若いよね』
「ぬる……」
ま湯にハマってるお客さんいますよねって知らないよな普通そんなこと。
何か店員さんに関する話とかしてなかったっけ憶中さん。
『新人のバイトさんがよく休むけど今月のノルマは達成できるのかなって梓さんボヤいてた。そのバイトさんイケメンだったよ』
「そうだ、ノル……」
マ達成危ういんですよねとか言ったらキレられるかな。この人結構やばい人だしな。
どうしよう全然示せない。足は諦めるしかないのか。嫌だ…。
けれどいつまでたっても銃声は響かず、代わりにバーボンは慎重な声音で問う。
「そこまで知っていて……あの時、ジンに僕を売ればすぐにあなたは助かったのに……。それをしなかったのは」
あなたも、これなんですか?
そう言いながらバーボンは手の甲で軽く椅子の横をノックする。
当然Aには意味が分からなかった。
「……はい!」
だが当然、Aは適当な事を言った。
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マコ - こんな偶然が重なることなんてある⁉︎笑笑笑。夢主運良すぎな笑笑笑笑 (12月22日 16時) (レス) @page22 id: df9fd7219e (このIDを非表示/違反報告)
うぇ - めちゃめちゃ面白いやないですか(笑)腹はち切れたww 更新待ってますw (2022年5月22日 13時) (レス) @page48 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
RAMO - めっちゃ好きwww (2022年2月6日 12時) (レス) @page23 id: e4a05cbcc8 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - ((◎д◎))ァァァァァァァ いやー神!神作品とはこの事だ! 見事に起こるすれ違い、、WWW続き楽しみにしてます!! (2022年1月23日 11時) (レス) @page8 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 面白すぎるwwwwwwwww更新待ってます (2022年1月7日 17時) (レス) @page48 id: 2d5bed1f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水落 | 作成日時:2018年12月14日 15時