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「何で」


「海人寝ちゃったから」

「お風呂貸して」




紫耀の言葉は
ちゃんと聞こえてるのに
頭に入ってこないし
言葉も上手く出てこない




横を通り抜けて
紫耀が部屋に入っていく


遠くに感じるそれが、
現実味を帯びるのは
紫耀がごみ箱の前で
立ち止まった時だった




「これって」

「前の客のじゃない?」




そんなわけないし
我ながら分かりやすい嘘だった


それでも、
紫耀にとっては
あまり意味をなさなくて




「お風呂借りるね」




それが少し都合が良かった

戸惑ったけど、紫耀の言動に
不自然さはないし、
俺も変な気を起こすつもりはない




だって
今はもうただのメンバーで
ここにはもう何も無い




「ねぇ、廉」

「んー?」

「廉もおいでよ」



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作者名:3 | 作成日時:2022年11月22日 22時

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