53話 ページ5
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『ｯ…熊……』
階段を降りた先で見つけたのはこちらに背を向けた大きな熊だった
まだこちらには気づいていないようだ
この時期に冬眠しているはずの熊がどうしてここに…何でことを思いながら足蹴にしているそれを見るとそこには母が無惨な姿で倒れていた
なんて惨いことを…
その時、浅い呼吸をしながら父様がこちらに這いずってきた
下半身がズタボロで背中には大きな爪痕が残されていた
父様「何をしていたAｪ!!早く助けんか！！
お前のせいで…母さんたちが死ぬんだぞ!!全部お前のせいだ!!!
不幸を振りまく災め!!」
『ご、ごめんなさ……ｯ!?』
父のその怒号に驚いたのか熊は唸りながらこちらを振り向いて突進してきた
あけっけからんとそれに踏み潰される父。パキッと言う軽い音が耳に残った
間一髪の所で階段を転げ落ちるように身を翻すとAは1発熊の顔面に向けて発砲した
幸か不幸かそれが熊の目玉に当たった
視界を半分失った熊は興奮したまま周りの家屋を更に薙ぎ倒す
ブンブンと振るう腕にAは恐怖のあまり立ち尽くした
その背中を熊の爪が掠めた
勢いで壁にぶつかりそうになり思わずここで死ぬのかと目を閉じる
…が、一向に痛みは来ない
鶴見「よく頑張ったねA…背中に傷まで負ってしまって可哀想に」
『兄様…ｯ』
Aを兄様が抱き留めてくれていた
背中の傷がズキズキと傷んだ…これじゃあ父様と同じじゃないか
鶴見「後は我々に任せなさい…全員掃射!!」
小隊「「「はいっ!!!」」」
軍隊だ…兄が自分の隊を引き連れて戻ってきてくれたのだ
思わず兄の服を掴みながらAは飛び交う銃声に目を輝かせた
あぁ、兄は私を見捨ててはいなかった…嫌いだから会いに来なかった訳じゃないんだ
こんな役立たずの私でも兄の力になれるだろうか…否、居場所なんてもうどこにも。
ちらりと父と母の亡骸を見つめる
程なくして熊は静かになった
逆立っていた毛がようやく眠ったのだ
辺りを煙が覆い始めた
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プスメラウィッチ(プロフ) - この小説は尾形百之助オチですか？出来れば尾形百之助オチでお願いします🙇 (2月7日 2時) (
レス) @page26 id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラト | 作成日時：2022年5月16日 17時
