茨の狙撃手2【ゴールデンカムイ】 (ページ19)

今日:5 hit、昨日:6 hit、合計:20,716 hit

67話ページ19

❖

❖

❖

白石「あ！いたいたアシㇼパちゃんとAちゃんだ」

杉本「よかった…無事だったか」

ようやく起きてきたのであろう杉本たちと反対から谷垣たちが合流した
Aにもたれかかっていたアシㇼパは杉本の後ろにいるキロランケに気づくとスっと立ち上がる

アシㇼパ「キロランケニシパが私の父を殺したのか？」

A・尾形・杉本
「「『…』」」

白石「え？」

キロランケ「俺が？なんだよいきなり…」

一瞬、空気が固まったような気がした
それを砕くかのようにインカラマッが馬券を見せる

インカラマッ「証拠は馬券に付いた指紋です」

谷垣「インカラマッ…!?」

キロランケ「なに？」

白石「指紋？」

指紋は人によってそれぞれ模様が異なる
外国では既に数年前から犯罪捜査に利用されているくらいだ
今、指紋検証なんてそんな事ができるのは…軍以外有り得ない
そうか、鶴見中尉と繋がってたか……

ペラペラと話すインカラマッの話を遮るように尾形が銃を構えた

尾形「ちょっと待った……

この女…鶴見中尉と通じてるぞ」

谷垣「よせｯ何を根拠に…」

インカラマッを庇うように谷垣が彼女を背に隠した
谷垣じゃ

尾形「谷垣源次郎〜色仕掛けで丸め込まれたか？

殺害現場の遺留品を回収したのは鶴見中尉だ

つまり鶴見中尉だけが指紋の記録を持っている」

『銃を下ろして尾形…』

拳銃を構えながらAは谷垣と尾形の間に割り込んだ

尾形「小蝶辺軍曹ｫ…鶴見中尉のお仲間同士はやはり庇うのか？

それとも、アイヌの奴らには甘いのか？」

『煩いな。インカラマッは私の家族だ。撃つなら容赦はしない』

インカラマッ「Aちゃん…」

ピリピリと張り詰めた気迫が危機として迫って来るのを感じる
アシㇼパはきっと杉本が守ってくれるはず、尾形を撃ち合えるのは現状私だけだし近距離なら絶対に負けない自信がある
動いたら撃つ指先に全神経を集中させようとした時だった

キロランケ「俺の指紋と一致したなんて鶴見中尉の情報を信じるのか？

殺し合えば鶴見中尉の思うツボだ

この状況がやつの狙いだろ？」

キロランケが尾形の銃を制すように前へと抜きん出てこの場を収めた