#02-2 ページ5
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オ「帰ってくるなら言ってよ〜」
営業時間が過ぎ、お店を閉め
ある程度済ますと
皆で私たちを囲むように座る。
海人くんなんかキラキラした目で
ずっと私たちを見てるし
勇太「あれ…?1人足りないような」
「…」
オーナーに海人くん
アリサちゃんにアイさん。
もう名前を出さなくても誰のことか分かっているけど
海人くんは視線を下に落として
少し言いにくそうにして
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海人「廉は半年前に突然辞めた」
理由はあやふやなまま
連絡先も消えて、今どこで何しているのか
誰も分からないらしい。
そっか…。
もうここには居ないんだ。
残念ながらも少しホッとした自分がいる
オ「俺が頼り過ぎて嫌気がしたのかな」
海人「違うよ‼俺がだる絡みするから…」
ア「せっかく2人が来てるんですから、明るい話してくださいよ」
アリサちゃんの一言にハッとする2人は
ははは、と愛想笑いをする。
私が言えたもんじゃないけれど
どうして辞めちゃったんだろう…
3年の間に、
変わらないもの、変わったもの
こんなにもたくさんあるなんて
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ほろ酔いになったジンさんが
急に私の左手を掴んで、
勇太「Aちゃんから報告があります」
「へっ?」
勇太「実は…この前紫耀にプロポーズされました〜」
海人「まじ!?!?」
みてみて、と指輪を見られようとすると
ジンさんの手を払って後ろに隠す。
「は、恥ずかしい…」
勇太「……、意地悪しちゃってごめんね」
そのままうつ伏せしたまま寝息を立て始めるジンさん。
海人「珍しい…寝ちゃった」
揺さぶっても起きないジンさんに
「寝起きは機嫌悪いからそっとしとこ??」
海人「…はい」
ジンさんの寝顔を見つめては、
さっきのジンさんの行動は
だだの酔って意地悪したわけじゃない。
「私の方こそ…ごめんなさい…」
私は変わったの?変わってないの?
それ以上突き止めたくなくて
忘れるようにカクテルを一気に流し込み、アイさんにお代わりをお願いした。
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作者名:おもち | 作成日時:2021年2月22日 19時